研究課題/領域番号 |
04152125
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
月田 承一郎 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (50155347)
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研究分担者 |
米村 重信 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (60192811)
月田 早智子 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (00188517)
永渕 昭良 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (80218023)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1992年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | がん / 転移 / 細胞接着 / カドヘリン / アドヘレンスジャンクション / カラニン / ラディキシン / アクチン |
研究概要 |
細胞間接着の制御機構とシグナル伝達機構を明らかにする目的で単離AJ(adherens junction)を用いた解析を進めた。Radixinは単離AJの裏打ち構造に局在するアクチンフィラメントのbarbed-end capping蛋白質として我々が同定したものであり、すでにcDNAの単離に成功している。得られたcDNAはezrin、moesinと高いホモロジーを示し、ERMファミリーの存在が示された。本年度は、radixinが結合する膜蛋白質の同定を目指して、種々の実験を行った。その過程で、白血球で発現している膜蛋白質CD43が、ERMとともに分裂構や微絨毛に濃縮することを見い出した。遺伝子工学的検討の結果、CD43はその細胞質の一部でERMと何らかの相互作用をしていることが明らかになった。次に、昨年我々は、カドヘリン結合蛋白質であるαカテニンを単離AJより精製し、そのcDNAの単離に成功したが、本年度は、ヒトのαカテニンに反応するモノクローナル抗体を作製し、ヒトの癌細胞におけるαカテニンの発現を調べた。その結果、PC9と呼ばれるヒト肺癌由来の細胞では、カドヘリンは充分量発現しているのに、αカテニンの発現がないために細胞が接着出来ないことが明らかになった。さらに、昨年我々は、カドヘリンを直接細胞骨格に結合させている可能性のある蛋白質として220kD蛋白質を同定したが、本年度は、この蛋白質をコードするcDNAの単離を行った。塩基配列を決定したところ、驚いたことに、この蛋白質は、これまでタイトジャンクションにのみ局在すると考えられていたZ0-1と同一であることが明らかになった。詳細な電顕レベルの分布の解析により、220kD蛋白質(Z0-1)は、もともとはカドヘリンと関係の深い蛋白質で、上皮でのみ、タイトジャンクションに局在するという、興味深い結果が得られた。
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