研究課題/領域番号 |
04152135
|
研究種目 |
がん特別研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
石井 俊輔 理化学研究所, 分子遺伝学研究室, 主任研究員 (00124785)
|
研究期間 (年度) |
1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1992年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
|
キーワード | がん遺伝子 / 転写制御因子 / 蛋白質間相互作用 / インヒビター |
研究概要 |
AMV(トリ骨髄芽球症ウイルス)のb-myb遺伝子産物(v-Myb)は造血系細胞をがん化し、そしてC-mybプロトオンコジーン産物は未分化造血系細胞の増殖に必須である。私達はc-Mybのほぼ中央部にロイシンジッパー構造が存在し、人工的に変異を導入してこの構造を壊すとc-Mybの転写活性化能が著しく上昇すると共に、本来細胞がん化能を持たないc-Mybが未分化造血系細胞をトランスフォームできるようになることをすでに明らかにしている。これらの知見からロイシンジッパーを介してインヒビターがMybに結合し、Myb活性を抑制していることが推定されたので、本年度はインヒビターについて解析を行ない、以下の知 見を得た。 1.MybのロイシンジッパーにはMyb自身が結合し、ホモダイマーが形成される。ホモダイマーはDNAに結合できないためc-Mybレベルが比較的低い時にc-Myb活性は強く、あるレベル以上のc-Mybが存在すると反対にc-Myb活性は弱くなる(c-Myb活性のnegativeautoregulation)。 2.MybのロイシンジッパーにはMyb以外の蛋白質も結合できる。大腸菌で産生させたMybをプローブとしたウエストウエスタン法によりMybロイシンジッパーに特異的に結合する蛋白質のcDNAを得たDNA配列よりこの蛋白質は563アミノ酸からなる分子量約65kDの蛋白質で、ロイシンジッパー構造を3セット持つことが明らかとなった。またこの蛋白質がロイシンジッパーを介してMybに結合すると、MybのDNA結合が阻害され、Mybによる転写活性化も抑制されることが示され、この蛋白質がMybのインヒビターであることが証明された。
|