研究課題/領域番号 |
04152144
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立がんセンター |
研究代表者 |
岡田 信子 国立がんセンター研究所, 生物学部, 主任研究官 (70194363)
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研究分担者 |
西村 暹 萬有製薬株式会社, つくば研究所, 所長 (20076970)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | アザチロシン / リバータント細胞 / がん抑制遺伝子 / rrg / Ca結合蛋白質 / Ca-31 / pEL98 / ras |
研究概要 |
アザチロシンによって活性化したras系、raf又はc-erbB-2でトランスフォームした細胞から扁平なリバータント細胞が誘導される。活性化したc-Ha-rasでトランスフォームした細胞からアザチロシンによって誘導されてくるリバータント細胞について詳細に検討したところ、リバータント細胞では元のトランスフォームした細胞と同量のp21が発現しており、しかも培地中からアザチロシンを除いても扁平な形態を保持し、又、軟寒天中でコロニーを形成しない事がわかった。この事は活性化したp21の活性を抑制するようながん抑制遺伝子の発現がアザチロシンによって恒久的に誘導されたことを示唆している。そこでcDNA differential hybridization法によってリバータント細胞で特異的に発現している遺伝子を探索したところ、がん抑制遺伝子であるrrg(ras racisiongene)、rhoB、コラーゲンタイプIIIや本年度詳しい解析を行ったCa-31を同定する事が出来た。Ca-31のcDNAをプローブとしてノーザンブロット分析を行ったところ、0.6kb、4.5kb、6.0kbの3種類のmRNAが同定された。0.6kbのmRNAについてはBalb/c3T3細胞で特異的に発現しているCa結合蛋白質であるpEL98のmRNAである事がわかった。Ca-31は、4.5kb又は60kbのmRNAから由来しており、pEL98と同一の遺伝子からスプライシングの違いによって生じたものである事がわかった。又、Ca-31はpEL98や牛の脳の分化に伴って発現の増加が認められるS-100αやβなどのCa結合蛋白質で保存されているCaと結合するアミノ酸配列を示す領域を含み、更に新たなる領域も含んでいるCa結合蛋白質の仲間である事が明らかになった。現在、pEL98及びCa-31を各々発現ベクターpMAMneoに導入し、リバータント細胞の誘導や保持に対する活性の同定を試みている。
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