研究課題/領域番号 |
04152145
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
宮木 美知子 (財)東京都臨床医学総合研究所, 腫瘍生化学研究部門, 研究員 (20085624)
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研究分担者 |
田中 貴代子 東京都臨床研, 腫瘍生化学, 研究員 (40124474)
矢ノ下 玲 東京都臨床研, 腫瘍生化学, 研究員 (00224915)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1992年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 大腸癌 / 大腸腺腫 / 家族性大腸腺腫症 / 癌抑制遺伝子 / PCR-SSCP / 染色体移入 / p53遺伝子 / APC遺伝子 |
研究概要 |
家族性大腸腺腫症(FAP)患者および一般集団の大腸癌の発生、進展にAPC遺伝子、p53遺伝子、DCC遺伝子、染色体22qの抑制遺伝子の不活性化、K-ras遺伝子の活性化が関与することを明らかにしてきた。APC遺伝子については、遺伝子cDNAが単離され塩基配列が明らかになったので、FAP患者と一般集団の大腸腫瘍約250検体における突然変異を解析した。APC遺伝子を38の領域に分け、PCR-SSCP法を用いてゲノムDNAの変異を調べた。まだ解析は途中であるが約50の変異が見いだされ、総てがストップコドンを生じるものであった。現在さらに解析を進めている。 p53遺伝子に関しては、DNAに突然変異が検出された腫瘍の約85%がp53抗体を用いた免疫組織染色において陽性を示し、変異が検出されなかった腫瘍の80%以上が陰性であることが分かった。一方、発現ベクターに繋いだ正常p53cDNAを電気穿孔法により培養大腸癌細胞に導入し、偏平な形態に変化した細胞が数クローン得られた。軟寒天内コロニー形成率はいずれのクローンにおいても元の癌細胞の0.7-2.8%に低下しており、ヌードマウス皮下での造腫瘍性も消失していた。 大腸癌には上記の癌抑制遺伝子領域の他に1pや13qにもLOHが認められ、癌抑制遺伝子が存在する可能性がある。正常ヒト1番染色体を培養大腸癌細胞に移入したところ造腫瘍性の消失が認められ、さらに、移入細胞から正常染色体の1p36領域の欠失と造腫瘍性の再発現を伴ったリバータントが得られたことから、抑制遺伝子が1p36に存在する可能性が強く示唆された。
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