研究課題/領域番号 |
04152150
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 愛知県がんセンター |
研究代表者 |
小幡 裕一 愛知県がんセンター研究所, 免疫学部, 室長 (30177290)
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研究分担者 |
田口 修 愛知県がんセンター研究所, 第二病理部, 主任研究員 (00142167)
高橋 利忠 愛知県がんセンター研究所, 副内長 (00124529)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1992年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 腫瘍免疫 / 腫瘍抗原 / MHCクラスI分子 / 遺伝子導入マウス / 細胞性免疫 / TL抗原 / Tリンパ腫 |
研究概要 |
細胞の癌化に伴い発現される"Normal self-peptide"が、宿主により腫瘍抗原として認識されること、また拒絶抗原となりうることを、マウスTL抗原系をモデルとして、遺伝子導入マウスを用いて明らかにした。TL抗原は、MHCクラス1分子であるが、その発現は正常胸腺及びTリンパ腫に限られる。さらに特定のマウス系統(例えばB6,C3H)では、正常胸腺細胞には全く発現せず、Tリンパ腫においてのみ発現する。B6マウスより単離したTL遺伝子をH-2遺伝子のプロモーターと結合したキメラ遺伝子をC3Hマウスに導入して、TL抗原を皮膚を含めたほとんどの正常細胞で発現する2系統の遺伝子導入マウスを作出した。これらのマウスの皮膚をTL遺伝子の起源であるB6とC3HとのF_1マウスに移植し観察するとともに、TL抗原に対する細胞性免疫の誘導を検討し、以下の結果を得た。 (1)癌化に伴い発現するTL抗原が、宿主によって腫瘍抗原として認識され移植抗原となりうることが、TL抗原を発現する遺伝子導入マウスの皮膚が(B6XC3H)F_1マウスにより拒絶されることにより明らかとなった。 (2)皮膚移植を拒絶したマウスに、TL抗原に対するTCRαβ ^+CD8^+の細胞傷害性T細胞(CTL)が誘導されること、さらにCTLはH-2非拘束性であることが、各種抗体による細胞傷害活性の阻害実験及びH-2ハプロタイプの異なるTリンパ腫に対する細胞傷害活性の検定より明らかとなった。 (3)移植拒絶並びにキラーT細胞の誘導のためには、大量の抗原とともに、効果的な免疫方法が必要であることが、TL抗原の発現量に差がある遺伝子導入マウスの皮膚移植片の免疫誘導能及び皮膚移植と脾臓細胞を用いての免疫結果の比較検討から明らかになった。
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