研究課題/領域番号 |
04201101
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐伯 浩 北海道大学, 工学部, 教授 (30001209)
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研究分担者 |
堺 茂樹 岩手大学, 工学部, 助教授 (80091643)
山下 俊彦 北海道大学, 工学部, 助教授 (80143692)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1992年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 海氷 / 流氷 / 津波 / 流氷の遡上 / 海氷の一軸圧縮強度 / 海氷の弾性率 / 津波の変形 / 流氷の大きさ |
研究概要 |
沿岸部に流氷が存在する時、津波が来襲すると、流氷は津波により陸上へ遡上し、家屋等に多くの被害をもたらす。今年度は、山下と佐伯は北海道沿岸部に来襲していた流氷の大きさを航空写真と現地調査により詳細な調査を行い、氷盤の大きさの分布を明らかにした。また、流氷の一軸圧縮強度及び弾性率についても詳細な調査を行った。さらに、それらの調査に基づき、流氷存在時の津波(実験では孤立波を用いた)の変形と津波の遡上特性、さらに氷盤の大きさの違いを考慮した遡上機構を明らかにした。陸上に遡上する氷盤の移動速度と運動エネルギーの変化については、訂線近傍の加速域、その後の安定域そして陸上部の摩擦の影響を受ける減速域に分けられることを明らかにした。さらに津波の遡上高と氷盤の遡上高の関係も明らかにした。また、以上の実験結果により、津波対策用構造物の設置位置も明らかとなった。また、防潮堤や防潮水門に作用する氷力については、氷盤の運動エネルギーと弾性率が明らかになったことから、その設計荷重を明らかにすることが可能となった。堺は、浮氷盤下の波浪の変形問題を理論と実験結果から明らかにした。風浪のような比較的短い周期の波の場合は、波高は指数関係的に減少するが、津波のような長周期の波に対しては、波長の数倍程度の流氷の被覆では、波高はほとんど減衰しないことが明らかとなった。また、北海道の太平洋岸の津波と流氷の来襲の確率的評価では、津波のマグニチュードm=1では10年間に1度m=2では40年間に1度程度になることも明らかになった。また、実験の温度計から得られるデータの解析は流氷が少なかったため、出来なかったことから、オホーツク海岸での風浪による流氷の遡上調査を行ない、波の遡上高と流氷の遡上高の関係を明らかにした。
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