研究課題/領域番号 |
04201110
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
首藤 伸夫 東北大学, 工学部, 教授 (90055137)
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研究分担者 |
宮村 忠 関東学院大学, 工学部, 教授 (60157675)
都司 嘉宣 東京大学, 地震研究所, 助教授 (30183479)
原田 憲一 山形大学, 理学部, 助教授 (90134147)
北原 糸子 東洋大学, 社会学部, 講師
五十嵐 之雄 東北学院大学, 文学部, 教授 (00048737)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
1992年度: 14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
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キーワード | 災害文化 / 災害常襲地帯 / 防災対策 / 比較災害論 / 津波災害 / 洪水災害 / 地震災害 / 地質災害 |
研究概要 |
災害文化を収集し、その地域性・歴史性の抽出、変貌と限界、定量的評価方法を研究した。 中部地方での地滑りに関する災害伝説の形成の過程、及び住民が災害体験を通じて伝説の伝える危険を最近再確認した例を明らかにした。これは災害文化による「危険な聖地」の生成につながる。一方、鹿島社が1000年頃の実績から地震の神となり、各地に勧請され、ついで現地での実績によって淘汰されていく過程も明らかになった。こうして地震被害を受け難い場所としての「安全な聖地」が形成された。この両者は、地質災害を区分する指標、NG(No good)指標、VI(Very important)指標と直接対応するものと見なしてよく、伝説などの災害文化を防災地域計画に役立てる方法の端緒が明かとなった。 津波常襲地帯での調査から、災害文化の有効性・限界性について検討され、災害文化を伝承して行く上で、家族という単位が最も効果の上がる事が確認された。しかしながら、三陸津波後の家族復興の調査により、当時の復興の論理と現在の家族の論理に差のあることが明らかとなり、災害文化継承に最近では問題が生じつつあることも明らかとなった。津波に関する災害文化の一つである、従来から言伝えられてきた来襲直前の異常音響について、その科学的根拠が明かとなった。音は発生原因により4種類に分類され、その発生条件も定量的に定められた。 災害経験の適用に際し、次のような翻訳が有効である。因果関係が明確な場合は、そのままでよい。例としては、30年前の大阪と現在の上海の地盤沈下があげられる。種類が異なる災害でも、共通の尺度で測られる場合、両者の翻訳は可能である。例として、中世の疫病と現在の都市災害がある。共通の尺度は人口密度である事が判った。
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