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急崖斜面崩壊の予測の可能性に関する事例研究

研究課題

研究課題/領域番号 04201122
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関福井大学

研究代表者

服部 勇  福井大学, 教育学部, 教授 (60020111)

研究分担者 福井 卓雄  福井大学, 工学部, 講師 (30026299)
水谷 伸治郎  名古屋大学, 理学部, 教授 (50022538)
研究期間 (年度) 1992
研究課題ステータス 完了 (1992年度)
配分額 *注記
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1992年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
キーワード急崖斜面 / 節理 / 続成作用 / 風化作用 / 地殻変動
研究概要

平成元年7月に発生した福井県越前海岸玉川の岩石崩落災害は社会的にも大きな関心を集めた.崩落現場付近には数多くの急崖斜面が発達している.やがてはこれらの急崖斜面も崩落を起こす.今回の研究は,急崖斜面がどのような永年変化を経て崩落に至るかを対象にして,地質学・岩石学的方法を用いて研究を進めた.
岩石片の一部を水に浸し,その上部を自然乾燥させた.3ケ月後にはX-線解析ができる充分な量の蒸発物が岩石の表面に沈澱した.今回実験に用いた岩石は水を簡単に通過させ,その途中で岩石中の鉱物や基質のいろいろな成分を放出していることが結論できた.今回の岩石の透水性の良さは岩石を劣化させる方向に進んでいると思われる.実験終了後,岩石を乾燥器に入れ,2日間程乾燥した.その岩石は手で持っただけで破断した.透水・乾燥の繰り返しで,岩石が著しく脆くなり,そのままの状態でも破断状態に至ることも確認できた.
岩石を薄片にして,水道水に3ケ月つけておいた.いくつかの試料では.岩石中にできている沸石に新しい割れ目ができていたり,へき開が拡大してきたり,あるいは割れ目に沿って成分変化が起こっていたりしていたことが光学性の変化から読み取れた.
野外観察から,今回の急崖斜面に平行な節理は,急崖斜面があまりにも高いため,その加重に耐えられずに斜面下部から中部でクリープを起こし,斜面がはがれ落ちていく可能性が認められた.岩石の加重実験では,災害現場の岩石は湿った状態では著しく粘土が上昇し,クリープ変形を起こし易いことが確認できた,このクリープ変形と岩石が乾燥し,脆くなることが重なって,斜面に平行な節理が岩体内部で形成されている可能性がある.
地形学的事実に基づいて,急崖斜面の上昇速度と後退速度を見積り,再来周期の計算を行った.

報告書

(1件)
  • 1992 実績報告書

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公開日: 1992-04-01   更新日: 2016-04-21  

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