研究課題/領域番号 |
04201125
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池淵 周一 京都大学, 防災研究所, 教授 (20026181)
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研究分担者 |
宝 馨 岐阜大学, 工学部, 助教授 (80144327)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1992年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 歴史洪水 / 確率洪水 / 琵琶湖水位 / 天保の浚滞 / グンベル分布 / 最尤法 |
研究概要 |
治水計画を立案する際、水文量の極値分布を表す確率分布モデルが用いられるが、標本数が十分でない場合、分布及び同定パラメータの不確定性が大きな問題となる。琵琶湖流域に関しては、古文書等の洪水記録や琵琶湖の水位観測記録から、明治時代以前についても水文量の再現がある程度可能であり、これらを確率分布モデルの標本として加えることができれば、モデルの精度向上が期待できる。そこで、まず歴史時代の湖水位を推定する際、天保の浚滞(1831年,1833年)前後の水位基準の設定が重要であることから、膳所藩の観測記録等を駆使して、その同定を進め、これら水位基準を用いて歴史時代の年最高水位を現在の鳥居川水位基準に換算した。次にこうして得た洪水時のピーク水位及び迎水位を瀬田川の疎通能力等の時代による違いを取り除いた値に変換し、琵琶湖流域における年最大流域平均30日間雨量及び最大30日雨量生起時のピーク水位を推定、これを治水計画の対象とする水文量とした。本研究では、これら水文量の確率分布モデルにグンベル分布を適合させ、パラメータ同定には最尤法を採用した。その際、値の小さい領域で精度が低下するという歴史データの特性から、歴史洪水についてはしきい値を設定し、しきい値を超える値が得られない年度はすべてしきい値以下である、しきい値を超えるデータについても、データ信頼度によっていくつかのデータ質を導入し、歴史時代I(1874〜1911年)、歴史時代II(1718〜1873年)のデータ質の組み合わせが近年時代(1912〜1980年)のデータに加えられた時の効果を検討した。その結果、歴史時代Iの情報のみを加味した場合は計画水位(計画降水量)が大きくなる傾向を示したものの、歴史時代IIの情報をも加味した場合には計画水位が小さくなる結果が得られた。歴史時代IIの標本が全体としては真値より小さい方向に偏していることもあわせ、現象の非定常性の問題を今後検討していきたい。
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