研究課題/領域番号 |
04201134
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
荒生 公雄 長崎大学, 教育学部, 教授 (40039425)
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研究分担者 |
野口 正人 長崎大学, 工学部, 教授 (10026263)
中根 重勝 長崎大学, 水産学部, 教授 (50001590)
藤吉 康志 名古屋大学, 水圏科学研究所, 助教授 (40142749)
武田 喬男 名古屋大学, 水圏科学研究所, 教授 (60022604)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1992年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 気象レーダー / 集中豪雨 / 積雲対流 / 雨量解析 / 流出シミュレーション / 雲仙・普賢岳 / 土石流対策 / 火山防災 |
研究概要 |
(1)豪雨活動の監視を目的として、名古屋大学のRHIレーダーを諌早市北部の高台に設置し、豪雨の微細構造を中心課題として観測を行った。さらに、長崎大学のデジタル型雨量計3台を雲仙地域に設置して、雲仙周辺の雨量観測網を強化した。これらの観測と入手した多くの気象資料により、降雨の状況を詳細に解析した。その結果、雲仙の火山性土石流は、累積雨量がほとんどなくとも10分間に10mm程度の強雨で発生すること、あるいは、50〜70mmの累積雨量があれば、短時間に強い降雨がなくても発生しうることが明らになった。 (2)名大レーダーが捉えた降雨エコーを解析すると、雲仙岳を襲う強雨は西方海上(橘湾)と長崎半島の海岸線付近に発生し、発達しながら東進(あるいは東北東進)し、約30〜40分後に雲仙地方に到達することが一般的であることが確認できた。また、諌早湾周辺においては降雨が強まる傾向が捉えられており、ともに地形性効果に着目しながらさらに詳細な研究を続ける必要がある。なお、雲仙土石流は降雨ばかりでなく山体部での噴出物の堆積状態に強く依存し、溶岩ドームの成長とともに深刻な事態が続いており、今後においても降雨に対する厳戒体制を継続する必要がある。 (3)諌早大水害の元凶となった本明川を対象として、流出シミュレーションの新しいモデルを構築した。新しい計算スキームは土地利用の変化に対応した流出予測を可能にするとともに、支流域ごとに雨量を変化させてシミュレーションを行うことができる利点がある。モデル計算の結果は、浸透系数は抵抗系数の違いよりも支流域ごとの降水量の違いに最も敏感であり、正確な流出予測には詳細な雨量データが不可欠であることが確認された。
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