研究分担者 |
大場 孝信 上越教育大学, 学校教育学部, 助手 (30194278)
公文 富士夫 信州大学, 理学部, 助教授 (60161717)
酒井 潤一 信州大学, 理学部, 教授 (30020663)
山口 佳昭 信州大学, 理学部, 教授 (50144689)
山田 哲雄 信州大学, 理学部, 教授 (30020647)
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研究概要 |
八ヶ岳4、黒姫火山3の代表的崩壊堆積物の特徴を明らかにした。 1.八ヶ岳(1)大岳川土石流(70万m3):1982年9月13-14日、台風通過の2日後に豪雨に伴って発生。地質学的背景は、現場が火口跡に当たり、岩石の変質が進んでいたこと、崩壊した新期噴出物が古期山体の急斜面にへばりついて不安定な状態で存在したことの2点。人為的要因として、10数年前の林道開設を指摘した。 (2)大月川岩屑なだり(0,35km3):野外調査結果と歴史書の記述の批判的検討から、その発生が888年6月20日の八ヶ岳崩壊であったことを述べた。この結論に関連して887年の“信濃北部地震(M=7,4)"は実在せず、したがって同年8月26日に四国沖と信濃北部で大地震が同日発生したことも、“地震1000年周期説"の3例中の1つもなかったことをのべた。 (3)相木川岩屑なだれ(1km3,更新世中期):山麓の堆積物の特徴と発生源を明らかにして、この大崩壊が火山活動の休止期に突然発生した可能性を指摘した。 (4)韮崎岩屑なだれ(9km3,更新世中期):従来の研究結果に加えて発生源で確認されつつある大規模不整合の調査結果を要約した。 2.黒姫(1)駒爪岩屑流(0,02km3,1万年前):火山活動の休止期に、噴火とは無関係に発生した可能性を指摘した。 (2)なべわり岩屑流(0,8km3、4,5万年前)水蒸気爆発に関連して発生した可能性が高い。発生源に幅1,4km、長さ1,5km、比高200mの馬蹄形カルデラを形成した。 (3)寺尾岩屑流(5km3、20万年前)発生因不明。堆積物の特徴を要約。 関連地域の防災力向上のため、更に詳しい特性の研究が必要である。
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