研究課題/領域番号 |
04201216
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
加藤 喜久雄 名古屋大学, 水圏科学研究所, 教授 (00022616)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 豪雪の生成メカニズム / 酸素安定同位体組成 / スコールライン状降雪雲 / 季節風の吹き出し / 水蒸気の供給過程 / 陸風降雪雲 / 衛星データ |
研究概要 |
豪雪の生成メカニズムの解明は、気象観測データや衛星からの情報のみからでは容易でない部分も多い。本研究の目的は、地球化学的手法で得られた降雪データを衛星データや気象データと結合させて、水蒸気の供給過程、雲の発達過程、雪の生成過程など、豪雪の生成メカニズムを解明することである。 上越、金沢、福井の三市の降雪の酸素安定同位体組成は、西高東低の冬型の気圧配置のときの降雪と低気圧の通過に伴う降雪では、全く逆の関係を示した。低気圧の通過に伴う降雪は近海起源の水蒸気の供給が主体であることを示しているが、西高東低の冬型の気圧配置のときの降雪は、一転して、近海起源の水蒸気の供給が主体ではなく、半球規模の大気大循環による水蒸気の供給によりもたらされている、と理解される結果であった。この差異は、低気圧の通過に伴う降雪と西高東低の冬型の気圧配置のときの降雪では、降雪の生成メカニズムが異なるという考え方に依拠して、この差異の解釈を検討した。 季節風の吹き出しの弱いときには、陸風前線と層状性領域での下降流をトリガーとして季節風と陸風の収束によって維持されているシングルセル型の陸風降雪雲帯が発生し、海洋から供給された水蒸気の大部分が下層で降雪となって北陸地方にもたらされており、季節風の吹き出しの強いときには、環状降雪雲をトリガーとしてガスフロントと海面上の暖気との収束によって維持されているマルチセル型のスコールライン状降雪雲帯が発生し、海洋から供給された水蒸気のうち下層で生成した降雪は強い上昇流の発生をもたらすとともに海上で落下して北陸地方にもたらされている降雪の水蒸気は日本海から供給されたものの割合は小さく、大気大循環により供給されたものの割合が大きい、ことを見いだした。
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