研究課題/領域番号 |
04202123
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高月 紘 京都大学, 環境保全センター, 教授 (80026228)
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研究分担者 |
篠田 純男 岡山大学, 薬学部, 教授 (50029782)
手塚 還 埼玉工業大学, 工学部, 教授 (50118668)
原口 紘き 名古屋大学, 工学部, 教授 (70114618)
安井 至 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (20011207)
池田 正之 京都大学, 医学部, 教授 (00025579)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
1992年度: 18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
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キーワード | 先端産業 / 労働衛生 / 有機金属化合物 / ホスフィン / 液体イオン化質量分析 / 生物分解 / 廃棄形態 / 溶出試験 |
研究概要 |
本研究は先端産業関連の研究、開発、生産、および製品に使用される各種化学物質のうち、有害で、かつ環境汚染を生起する可能性のある元素、とくにスズ、ヒ素、セレンなどの半金属元素を含む化合物を対象として、その制御、処理方式の確立を目指すものであり、次の研究成果を得た。(1)IC製造に伴いガリウム・ヒ素暴露を受けている作業者について3年間にわたり、小規模企業IC作業者、研究所勤務開発担当者、大企業IC作業者の3つの調査を行った結果、血液学的所見・肝機能所見にいずれも著明な変化を得なかった(池田)。(2)半金属化合物ガスの捕集と分析方法について検討し、ジボラン、シラン、ホスフィン、アルシン、ゲルマンおよびセレン化水素のガスが混在する場合の捕集、脱着方法を確立した。(3)液体イオン化質量分析法による海中ならびに貝中の有機スズ化合物を検出するための前段分離、濃縮方法の検討、ならびに検出感度向上を行った(土屋)。(4)重水素ラベル体のトリブチルスズ(TBT)およびトリフェニルスズ(TPT)を内部標準とするガスクロマトグラフ質量分析法を検討した結果、海水試料について、TBT、TPT、DPTについて検出下限1ppt、DBTについて8pptを得た(森田)。(5)産業が地球の資源と環境に与えるインパクト研究として、電子機器の基板類の純水、塩水及び酸による金属流出実験の結果、酸による金属流出は純水や塩水より多いこと、特に鉛の流出が多いことが分かった(安井)。(6)有害廃棄物の廃棄形態に関し、廃棄物からの重金属の溶出機構について、初期流出と内部拡散、廃棄物の酸中和能力を考慮する必要性を示した(高月)。(7)半導体ドーピング用ガスであるホスフィンの乾式除去について検討し、種々の遷移金属塩化物を担持した処理剤について比べると、塩化第二銅を担持した場合に特に顕著な効果を発揮していることがわかった(手塚)。(8)金属イオンの化学形態別分析について検討し、Cr、Cu、Zn、La、Sn、Pbなどは高分子態で、Mg、Si、K、Ca、Sbなどは低分子態で存在することを示した(原口)。(9)環境微生物への有機スズ化合物の影響について検討し、水中の有機物を栄養源として増殖する一般的な従属栄養細菌はTBTが1μM程度まではその機能に影響されることなく有機物を代謝して増殖することを確認した(篠田)。
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