研究課題/領域番号 |
04202129
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中辻 啓二 大阪大学, 工学部, 助教授 (10029324)
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研究分担者 |
神田 徹 神戸大学, 工学部, 教授 (30029144)
村岡 浩爾 大阪大学, 工学部, 教授 (90029017)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1992年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 沿岸域 / 閉鎖性内湾 / 水環境 / 潮流 / 密度流 / 残差流 / フロント / 三次元数値実験 |
研究概要 |
(1)大阪湾の流れの特性は?:三次元バロクリニックな流れの数値モデルを用いて大阪湾の潮流系、密度流系ならびに恒流系を平均大潮に対象に検討した。観測で明らかになっていた沖ノ瀬循環流と海深20m線に沿って形成される潮汐フロントの存在が数値実験で追認できた。両者は大阪湾の恒流系の形成や大阪湾での物質輸送に重要な役割を果たしている。数値実験で得られた潮流の変動時系列を調和分解した結果、(1)恒流系は潮流系と比較して微弱な流れではない。(2)大阪湾の恒流分布は沖ノ瀬環流(潮汐残差流)、湾奥部の密度流系の恒流、さらに潮流により形成され、密度流によって強化される東岸恒流帯に分類できる。(3)海峡周辺では潮流の非線形性によって2倍振動数の1/4日周期の流動成分が生起されている。 (2)大阪湾の埋立はどの程度まで可能か?:前述した数値模型を用いて海深15m、18m以浅の海域の埋立てを想定した数値実験を行い、大阪湾内の流動特性に与える影響を検討した。物質輸送に直接関与する沖ノ瀬環流と潮汐フロントを指標にして影響の評価を行った。残差流系では、沖ノ瀬環流が全層にわたって顕著に現れており、その規模および流速は現状地形の場合とほぼ同じであった。一方、潮汐フロントに及ぼす影響は18m海深埋立の時には顕著に現れる。15m海深の埋立ではフロントの位置と強度は現状地形の場合とほぼ変わらないが、18m埋立の場合にはその位置は約5kmほど湾中央部に移動し、さらには鋭さは2倍程度強化されている。 (3)流動・拡散の可視化:専門的知識を持ち合わせていない一般の人々にも研究の成果を理解でき、それに基づいて環境管理や環境創造の施策の意志決定に利用されるように、数値実験結果の可視化を目指してアニメソフトや粒子追跡ソフト等の開発を行った。
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