研究課題/領域番号 |
04202140
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
井川 学 神奈川大学, 工学部, 教授 (70120962)
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研究分担者 |
村野 健太郎 国立環境研究所, 地球環境グループ, 主任研究員 (40109905)
大河内 博 神奈川大学, 工学部, 助手 (00241117)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 酸性霧 / 酸性雨 / 洗浄効果 / 窒素酸化物 / 硫黄酸化物 / 酸性化機構 |
研究概要 |
霧は地表近くで発生するために大気汚染の影響が大きく、液滴の成長による希釈効果は小さいために、酸性度が高くなる。本研究においては、大山と赤城山における酸性霧の成分分析とその酸性化機構の解明を行った。 1988年より行なっている丹沢・大山における酸性霧の観測の結果、霧水のpH範囲は2.61〜7.00、体積加重平均pHは3.95であった。霧水の組成には酸性ガスの影響が大きいのでガス濃度の測定を行なったところ、大山の硝酸ガスと塩化水素ガス濃度は横浜とあまり変わらないが、アンモニアガス濃度は横浜の1/2〜1/4であった。酸性ガス濃度がアンモニアガス濃度とほぼ一致している大山では、霧が発生するときに酸性化しやすい条件にあると言える。1992年6月19日に大山で発生した最低pH2.62の霧水の分析の結果、pHの低いときにNH^+_4の大気負荷量が長時間にわたって高いレベルを保ち続け、霧水量の変化によってpHが変動していることが明らかとなった。このこととこれまでの結果とをまとめると、霧水のpHは、(1)大気の汚染度、(2)霧底の位置、(3)大気中の霧水量、(4)酸中和成分濃度、特にNH_3濃度により支配されていると言える。 首都圏で放出された大気汚染物質が変換を受けながら飛来して来る赤城山の南東斜面においても、酸性霧を含めた大気汚染物質の総合観測を行なった。観測の結果、霧は雨より10倍以上の酸性度を示すことがあり、霧の発生しない日でも、高濃度のオキシダントと硝酸ガスの移動が確認された。 関東周辺の森林は、常時このような大気汚染物質の負荷というストレスがあることから、これらの森林は今後生存し得るのか危惧される。
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