研究課題/領域番号 |
04202220
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
福岡. 捷二 東京工業大学, 工学部, 助教授 (30016472)
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研究分担者 |
渡辺 明英 東京工業大学, 工学部, 助手 (00240474)
関 克己 (財)リバーフロント整備センター研究二部, 次長
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 治水 / 河川環境 / 河川植生 / 植生管理 / 航走波 / 河岸保護 |
研究概要 |
(1)多摩川をフィールドに河岸に生育するオギとヨシを有する河岸が植生護岸として有効に機能する外力と河岸の条件を明らかにした。河岸の土壌は上層が砂で、下層はシルトを含んだ礫であることが多い。砂層内にオぎの根がマット状に広がっているときオギの根茎の土壌保用作用によって上層の侵食低抗力は高くなる。このため、相対的に低抗力の弱い下層が侵食され、オギの根を含む上層が残りヒサシ状の形態をとる。このヒサシが河岸の侵食速度を小さくすることを明らかにした。原位置試験器を開発し、さらにオギの節の直接引張強度を測定した。オギ一本当りの引張り強度は27Kgfであった。このオギの地下茎の引張り強度を用いて、オギをもつヒサシ状河岸が破壊する限界流速を求めた。計算結果は現地の測定結果を適切に説明できた。(2)ヨシ原群がポートの造る波のエネルギーをどの程度反射し、減衰させるかを荒川下流部での現地調査と造波水槽によって調ベた。調査地点は荒川の14.5Km右岸で、用いた船は河川巡視船“すみだ"と“あらかわ"の2隻である。水深は船の航行位置で約6m、ヨシ原前面で1.0〜1.5mである。ヨシ原で波は不完全反射し、部分重複波となる。波の峰の包絡線と谷の包絡線を観測し、Healyの方法で反射率KRを求め、また伝達率を実測した。この結果、波がヨシ原を8mを透過するとエネルギー損失率は(60〜80)%にも達する。“あらかわ"がつくる大きな波のエネルギーに対しても、ヨシ原のエネルギー減衰効果は大きく、ヨシ原の背後の河岸に対する波の侵食力は、ヨシ原が数mあるとほぼゼロとみなしてよいことが明らかとなった。また、ヨシ原での波の反射率はわずか0.05〜0.15となり、テトラポットの反射率0.2〜0.35よりも十分小さく、水面利用の上からもヨシ原は有効であることを示す。
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