研究課題/領域番号 |
04202221
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
朝倉 祝治 横浜国立大学, 工学部, 教授 (20018013)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1992年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 硝酸塩 / 亜硝酸塩 / アンモニウム塩 / 地下水 / 電気化学的汚染物除去 |
研究概要 |
近年、地下水の硝酸塩による汚染が深刻化している。そのため様々な除去法が提案されているがコスト及び二次的な問題のため未だ実用化されていない。そこで本研究では従来の問題点を解決する手段として電気化学的な手法を検討した。従来、NO_3^-は中性、アルカル性溶液において安定な物質であるが、デバルダ合金はアルカル性溶液中でNO_3^-を速やかに還元する事が知られている。 前年度は、この反応過程の解析を行い、銅がカソード反応材料として有効である事を見いだした。そこで銅を電極として中性溶液中においてNO_3^-のカソード還元を試みたところ、銅が優れた電極触媒能を有し、-1.2VvsSHEより卑な電位領域ではほぼ100%NH_4^+が生成することが明かとなった。 本年度は反応機構に関してさらに詳細な検討を行った。その結果、中性溶液におけるNO_3^-の還元過程には、電気化学的にNO_2^-に還元される過程と水素発生に伴って電極上で生成した原子状水素によってNO_2^-を経ずにNH_4^+に直接還元される過程の二つが存在することが分かった。原子状水素によるNO_3^-の還元反応の速度定数の値は-1.2VvsSHEにおいて、電気化学的な過程の約10倍の値であり、高効率でNH_4^+が生成するのはこれに起因する。 また応用研究としてより安価な還元手法である粉末金属を用いた方法を検討した。本研究では、銅担持鉄粉を考案し、その反応性を調べたところ電解法と同様に中性溶液中においてNO_3^-を速やかにNH_4^+まで還元できることが明かとなった。このときの還元コストは1円/kg(N-NO_3^-)と非常に安価であった。以上、検討を行った方法はいずれも還元生成物であるNH_4^+の除去が必要となる。しかしNO_3^-のN_2への還元反応に比べ、NH_4^+のN_2への酸化反応は多くの研究者によって見いだされており、今後有効な電極触媒或いは触媒が開発される可能性が高い。これが実現すれば銅担持鉄粉を用いた硝酸イオンの還元プロセスを用いた有効なNO_3^-除去法が確立できると考えられる。
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