研究課題/領域番号 |
04202233
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
錦織 千佳子 京都大学, 医学部, 助手 (50198454)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1992年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 太陽光紫外線 / 無毛マウス / ras遺伝子 / 点突然変異 / ピリミジン |
研究概要 |
紫外線は突然変異をおこすことが殺菌灯(主として254nmに波長のピーク)を用いたin vitroの系で明らかにされてきた。しかし、実際に私達人間に直接影響の及ぶ太陽光、即ち近紫外線での、特にin vivoでの遺伝子変化についてはよくわかっていない。本研究では、紫外線がヒトに遺伝子レベルでどのような変化を及べすかをしる為に無毛マウスに太陽光近似の紫外線を照射し、どのような遺伝子変化がおこっているかを検討した。無毛マウス背部に健康蛍光ランプ(280-360nm)を照射(1回照射量は3400J/m^2、最小紅斑量の約2倍)し、その露出部と非露出部から皮膚を採取し、DNAを抽出した。点突然変異により活性化されることがしられているras遺伝子のexon1とexon2を含む領域をPCR法により増幅し、そのPCR産物を直接ダイデオキシ法により塩基配列を決定して突然変異の有無を解析した。昨年迄の研究成果で2系統でH-rasコドン13のG:C→T:Aの、2系統でK-rasコドン61のC:G→G:Cのトランスバージョンがみつかった。更に、今年の研究成果により、N-rasでも2系統においてコドン61のポジション3でA:T→T:Aの、ポジション1でC:G→A:Tのトランスバージョンがみつかった。それらの同一個体の肝臓DNAではそのような突然変異は検出されなかった。今回の実験で観察された点突然変異はコドン61のポジション1の変異以外はいずれもとなりあったピリミジンの片方におこっており、in vivoで紫外線によって突然変異がおこったことが示唆されたが、プラスミドを用いたin vitroの系とは異なりトランスバージョンが多かった。この事は人への紫外線の影響を考えるときin vivoでの実験の重要性を示唆するものと思われる。今のところ照射量、照射方法による突然変異の質的な差はみられていない。
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