研究課題/領域番号 |
04202242
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
前田 滋 鹿児島大学, 工学部, 教授 (90041566)
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研究分担者 |
大木 章 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (20127989)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1992年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ヒ素 / 淡水生物 / メチル化 / 食物連鎖 / 生物学的運命 / 脱メチル化 |
研究概要 |
1.研究目的 半導体産業などで用いられる毒性の小さいトリメチルアルシン(As(CH_3)_3)等のメチルヒ素化合物が淡水生態系に入ったとき、これが微生物などに取り込まれ、食物連鎖を介して脱メチル化され、毒性の大きい無機ヒ素へ変換されるかどうか等、ヒ素の生物学的運命を研究する。 2.研究の成果および考察 (1)クロレラ属による有機ヒ素化合物の取り込みと生体内変換 独立栄養性(栄養源として有機物を必要とせず、光合成で炭酸ガスを同化する)微細藻類クロレラ(C.vulgaris)をメチルヒ素化合物を含む培地で7日間培養したときのヒ素の取り込みと生体内変換を調べた結果、モノメチル態に比べジメチル態およびトリメチル態はクロレラにとって安定な化学形態であることが分かった。 (2)通性嫌気性バクテリアにより有機ヒ素化合物の取り込みと生体内変換 従属栄養性(栄養源として有機物が必須である)バクテリア(K.oxytoca、Xanthomonas sp.)を、モノメチル-、ジメチル-、トリメチル化合物を含む培地からのヒ素の取り込みを調べたところ、前2者の取り込みは小さかったが、トリメチル化合物の取り込みは比較的大きかった。メチル化ヒ素の脱メチル化も認められた。 3.結言 生物によるとヒ素のメチル化は、その毒性の軽減と細胞外排出の両方を促進させる解毒作用と思われる。好気性我立栄養藻類はメチル化のみ、通性嫌気性従属栄養バクテリアはメチル化と脱メチル化の両方が認められた。
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