研究課題/領域番号 |
04202256
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪府立公衆衛生研究所 |
研究代表者 |
橋本 正史 大阪府立公衆衛生研究所, 公害衛生室, 室長 (10028699)
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研究分担者 |
大山 正幸 大阪府立公衆衛生研究所, 公害衛生室, 研究員 (40175253)
中島 孝江 大阪府立公衆衛生研究所, 公害衛生室, 研究員 (70250339)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1992年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | マクロファージ / アスベスト / 活性酸素 / 肺水重 / ホスホリパーゼA_2 |
研究概要 |
アスベストの発癌性は動物実験および疫学調査で明かになっているが、in vitro実験で変異原合は殆ど認められない。この事実はアスベストの生体影響が生体内での反応を介して起きることを示唆するが、我々はこの反応の相手をマクロファージ(Mφ)と考え、アスベスト粒子(クリソタイル)を貪するときに産生する種々の内因性物質の作用と生体影響との関連性を調べるため、次の実験を行った。実験1:in vitroでホスホリパーゼA_2(PLA_2)およびそれ以降のアラキドン酸代謝に関与する酵素(シクロオキシゲナーゼ、リポキシゲナーゼ)の活性阻害剤などをMφに投与し、粒子で刺激したときの活性酸素(O_<2~>)産に対するケミカルメディエータの関与を検討した。実験2:in vivoで、O_<2~>消去酵素(SOD)またはPLA_2活性阻害剤(pBPB:p-ブロモフェナシルブロミド)をマウスに前投与し、粒子を気管内に投与したときの肺影響に対する効果をみた。実験3:in vivo実験で、粒子投与後、2,4,7日に肺洗浄を行い、BALF中のMφの貪食状態を観察し、粒子形状と貪食状態および肺重量との関係を検討した。その結果、以下のことが判明した。(1)in vitroのO_<2~>産生はpBPBの投与、Caキレート剤の添加、およびZnの添加により抑制されるが、アラキドン酸代謝に関与する酵素の活性阻害剤およびPAF阻害剤(U69885)の投与で抑制されない。(2)SODの投与により、粒子投与5時間後の肺重量の増加および肺毛細血管透過性の亢進は一部抑制されるが、pBPBの投与の効果はない。(3)肺胞Mφ完全に貪食されない位、粒子の粒径が大きいと、in vivoの肺影響は強くなる。逆に、Mφにファゴゾームが形成される位小さい場合は、影響は殆どない。
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