研究課題/領域番号 |
04203105
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
古崎 新太郎 東京大学, 工学部, 教授 (40011209)
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研究分担者 |
伊藤 義郎 長岡技術科学大学, 機械系, 助教授 (60176378)
茅原 一之 明治大学, 理工学部, 助教授 (80111566)
江川 博明 熊本大学, 工学部, 教授 (50040358)
諸岡 成治 九州大学, 工学部, 教授 (60011079)
信川 寿 広島大学, 工学部, 教授 (60034344)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
17,500千円 (直接経費: 17,500千円)
1992年度: 17,500千円 (直接経費: 17,500千円)
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キーワード | 海水 / ウラン採取 / 吸着剤 / アミドキシム樹脂 / 繊維 / 係留方法 / 海流利用 / コスト計算 |
研究概要 |
わが国における原子力発電の電力量は、全電力量の約25%を占めている。原子力発電の燃料であるウラン資源はそのすべてを輸入に依存している。総量約42億トンと計算される海水中の溶存ウランを工業的に採取する技術の確立は、エネルギー政策上極めて重要である。本研究では、これまでの成果をふまえ経済的な海水ウラン採取プロセスの確立をめざした。研究成果として、(1)係留式海流利用海水ウラン採取システムの開発:伊万里湾の外海において、作業船のクレーンからかご型吸着床を吊るして、潮流と波の中で吸着床を上下揺させて海水と吸着剤を接触させる吸着実験をおこなった。40時間の接触で平均76μg-U/gのウランの吸着量が認められた。2ノットの海流中での吸着実験の場合と同程度の吸着量である。このことより、波力を利用した吸着床の上下揺の効果は大きいことがわかった。(2)繊維状吸着剤の係留式採取法への適用:ハネカム内に吸着繊維を充填した吸着床を実海域で係留した場合、平均潮流が約0.2m/sにもかかわらず、吸着床を固定したボートを1m/sの速度で曳航したときに匹敵する吸着量が得られた。(3)球状吸着剤の係留式採取法への適用:高性能アミドキシム型球状樹脂を充填したカラムにポンプを利用して上向に海水を流通させた。(4)中空繊維充填装置ポンプ利用システムの開発:海水温度が吸着速度に及ぼす効果について考察した。ウラン吸着の活性化エネルギーは、約20kcal/molとなった。これは、ウラン吸着速度を支配している移動過程のなかでキレート形成反応が関与していることを示す。(5)循環流動層式吸着装置による海水ウラン採取:多量の海水と吸着剤を高効率で接触させることのできる循環流動層状吸着装置の開発をおこなった。粒状アミドキシム吸着剤を用いることにより、この方法では2割以上装置規模を小さくできることが明らかになった。(6)採取システムの設計と評価:これまでの知見と1990年度よりの海洋での試験データをもとに採取システムの設計と評価をおこなった。係留固定層一海流利用システム(浮体式海水ウラン採取システム)について合わせて比較,評価をおこなった。
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