研究分担者 |
斉藤 泰和 東京大学, 工学部, 教授 (10010761)
越智 健二 日本大学, 理工学部, 教授 (10059389)
都田 昌之 山形大学, 工学部, 教授 (30005433)
大矢 晴彦 横浜国立大学, 工学部, 教授 (40017950)
平井 敏雄 東北大学, 金研, 教授 (50005865)
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研究概要 |
熱化学分解法によって水から水素を得ることによって水素エネルギーシステムを確立すること,および工場排熱や太陽熱など低位で発生量が変動する未利用の熱エネルギーを,ケミカルヒートポンプサイクルによって高位の熱エネルギーに変換して有効利用への道を拓くことを目的として多方面の専門家が課題を分担して研究した。 (1)カルシウムの臭素化反応機構を明らかにし,反応のモデル化を行ない,臭素化反応の進行過程を説明した。鉄系反応の反応固体の耐久化に成功して,水素製造の長時間連続運転が実施された。 (2)ハクニウムの有機金属原料を用いたCVDにより,ステンレス鋼表面に酸化ハクニウム膜を被覆して,臭素・酸素零囲気中における高温腐食を調べた。柱状組織を有する単斜晶酸化ハクニウム膜のとき,900℃の一定温度,500と900℃間の繰り返し温度変化に対しても十分な耐食性が得られた。 (3)ジルコニアを60mol%まで含むジルコニア複合膜の成膜に成功して,8種類の純ガス透過機構および水素・水蒸気・臭化水素の混合ガス分離実験を実施した。水素は膜を透過せず,水蒸気に対して選択的に臭化水素が透過した。 (4)150℃,10atmまでの条件下で臭素のPVT関係を測定した。また気液平衡測定で臭素・水系のデータを求め,さらに臭化水素・臭素・水素の全圧測定から3成分気液平衡関係の解析を行なった。 (5)炭素担持触媒は,Ru・Pt触媒において錯体の添加によって2-プロパノール脱水素活性が向上するばかりでなく,アセトン阻害効果も抑制できることが見い出された。またルテニウムと白金クラスター錯体を高表面積活性炭に担持した触媒は優れたアルカン脱水素活性を示し,それを利用した熱再生型燃料電池システムが提案された。
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