研究課題/領域番号 |
04203112
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐々 宏一 京都大学, 工学部, 教授 (40025953)
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研究分担者 |
由佐 悠紀 京都大学, 理学部, 教授 (90025403)
関根 英樹 東北大学, 工学部, 教授 (20005359)
水田 義明 山口大学, 工学部, 教授 (20107733)
荻野 文丸 京都大学, 工学部, 教授 (50026069)
高橋 秀明 東北大学, 工学部, 教授 (10005267)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
25,000千円 (直接経費: 25,000千円)
1992年度: 25,000千円 (直接経費: 25,000千円)
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キーワード | 能動的地熱抽出システム / 高精度物理探査法 / 大規模亀裂進展挙動 / 地熱抽出層の流体熱移動特性 / 熱抽出実験とモデル化 / 地熱抽出システムの寿命評価 / 熱輸送過程 |
研究概要 |
本年度は以下の研究を行い、所期の成果を得た。1.構造形態の特徴を考慮した高精度な弾性波トモグラフィの解析手法を開発し、ボーリング孔を利用して観測した現地実験データの適用して、その手法の妥当性を確認した。2.等走時面の利用による抗井間反射法地震探査データの深度変換の手法を開発し本手法が高精度、高速度で深度変換が行えることを明らかにした。3.せん断破壊強度の垂直応力依存性をすべり軟化モデルにより模擬できることを示し、このモデルが、地下環境下でのせん断破壊挙動予測モデルとして有効であることを行らかにした。4.2次元スリット状充填層内の流れについて検討し、その流れはポテンシャル流れに近く、速度の大きい領域は入口、出口間の極めて狭い領域に限られることを明らかにした。また摩擦係数の実測値は計算値とほぼ一致し、レイノルズ数の-1乗に比例することを明らかにした。5.岩盤温度が120℃程度に天然抽熱層に冷水を注入し、熱水を回収する原位置実験を実施し、光ファイバー温度計を用いて回収孔内の温度の時間的変化の多点測定に世界で初めて成功した。その結果、注入した水は岩盤内でかなり迂回して流れていることが明らかになった。6.天然亀裂からの熱抽出モデルを構築し、シミュレーションによって、上記の現位置実験の妥当性を確認した。7.能動的地熱抽出システムの稼動の最適化および寿命について考察し、地熱抽出システムの稼動の最適化を全稼動期間を最大とする最適化問題として定式化し、地熱抽出システムの寿命について、一つの判定規準を提案した。8.熱水-蒸気から成る二相流過程による鉛直熱輸送を考察し、正味の質量輸送が無くても蒸気が上昇の途中で凝縮して液体に変わり、これによって潜熱が上方に輸送されるので、岩体の透水係数がかなり小さい場合でも、伝導のみによる輸送量の数倍から数十倍の熱量が輸送され得ることを明らかにした。
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