研究課題/領域番号 |
04203206
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
相原 利雄 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (90006172)
|
研究分担者 |
小原 拓 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (40211833)
|
研究期間 (年度) |
1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1992年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
|
キーワード | 伝熱制御 / 超臨界圧流体 / 凝臨界温度 / 非定常熱伝達特性 / 圧力・温度依存性 |
研究概要 |
平成3年度に製作した超臨界非定常伝熱実験装置を用い、容積約6x10^<-4>m^3の円筒形超臨界圧チャンバ中に水平に設置されたφ100μmの白金加熱細線にコンピューター制御されたさまざまなステップ高さの熱入力を加え、亜臨界非定常沸騰熱伝達実験及び超臨界非定常自由対流熱伝達実験を行った作動流体にはCO_2(臨界温度304.2K,圧力7.383MPa)を用いた、得られた結果は以下のとおりである。 (1)亜臨界沸騰実験の結果、熱伝導域を離脱後、非定常沸騰曲線は速やかに(10ms程度で)定常沸騰曲線に漸近することが確認された。印加熱入力が大きい場合は、加熱開始直後から膜沸騰状態となるが、約30ms後には比較的低い印加熱入力の場合は、加熱開始直後は核沸騰状態にあり、やがて膜沸騰に遷移する。この場合、加熱初期の核沸騰により細線の温度上昇を大幅に遅延させることができる。過熱度の経時変化は当初の核沸騰域においては緩やかで、膜沸騰への遷移に伴って急激になり、やがて変曲点を生じつつ再び緩やかになり、定常状態に漸近する。 (2)超臨界自由対流熱伝達の場合は、亜臨界における核沸騰から膜沸騰への遷移現象が存在しないことから、過熱度の経時変化曲線に変曲点は存在せず、曲線は定常値に向けて速やかに漸近する。超臨界圧流体の場合、加熱度や熱流速はステップ高さや流体圧力により容易に制御できることから現在これらを応用した伝熱制御法について解析を行っている。 超急速な非定常熱伝達に際しては物質固有の性質が現象を支配する。このような観点から水を例にとって、分子動力学の数値解析により、遷臨界域の流体の微視的構造を解析した。臨界点を中心とした広い範囲の温度、密度に対して数値計算を行い、水分子のダイマー・クラスター形成に関する解析を行った。この結果、ダイマーの個数及び寿命やクラスターのサイズに関して、その温度・密度依存性を明らかにした。
|