研究課題/領域番号 |
04204015
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
西野 種夫 神戸大学, 工学部, 教授 (60029452)
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研究分担者 |
蟹江 壽 東京理科大学, 基礎工学部, 助教授 (20120181)
篠塚 雄三 山口大学, 工学部, 助教授 (30144918)
田口 常正 大阪大学, 工学部, 講師 (90101279)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
1992年度: 15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
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キーワード | 格子緩和 / 混晶半導体 / 偏光分光 / 励起子 / 超格子 / ルミネッセンス |
研究概要 |
局在電子状態の制御に関して、これまで主として化合物半導体を対象として、理論、実験両面から研究を進めてきた。本年度の研究成果として、理論面では前年度に引き続き半導体結晶中の局在中心における格子緩和現象を取り上げ、局在不純物原子の安定な位置をヤーン・テラー効果を使った対称性の議論から見い出す方法を確立するとともに量子井戸における水素不純物原子の局在電子状態を電子ー格子相互作用により調べ、水素型不純物に束縛された電子(正孔)が量子井戸幅の変化により浅い不純物中心から深い中心へと不連続的に変わる不安定性を明らかにした。次に、実験面での成果として、まずGaInP混晶半導体中に形成される局所的秩序構造の自然超格子における電子状態を偏光ルミネッセンスおよび偏光エレクトロレフレクタンス法によって調べ、価電子帯の秩序化による分裂構造を明らかにし、この半導体を用いた可視光レーザ・ダイオード特性の異方性を制御する有用な指針を確立することができた。さらに、半導体結晶中の局所的な領域における電子状態を評価する新しい電子ビーム変調反射率スペクトル測定法を開発し、umオーダの極微領域での電子状態の評価に有用であることが確認できた。また、II-VI族化合物半導体の電子状態に関して、有機金属気相成長法によって立方晶型のCdS/CdZnSひずみ超格子の成長にはじめて成功し、その電子状態を分光学的手法により調べ、バンド・ギャップの高エネルギー側への大きなシフトおよび厚さの変動にする励起子の局在化によって生じた指数関数的なバンド・テイルを明らかにすることができた。さらに、Sb化合物溶液から成長させたZnSおよびZnSSeバルク結晶中の不純物、欠陥の電子状態をホトルミネッセンス法およびホール効果測定法によって調べ、各種不純物に束縛された励起子の起源およびキャリア濃度に関する有用な知見を得ることができた。
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