研究課題/領域番号 |
04204020
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
吉田 泰彦 東洋大学, 工学部, 教授 (80134500)
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研究分担者 |
佐藤 浩太 千葉大学, 自然科学研究科, 助手 (40192091)
鯉沼 秀臣 東京工業大学, 工業材料研究所, 教授 (70011187)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1992年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 熱フィラメントCVD法 / ダイヤモンド薄膜 / 固体ゲル / 有機色素 / プラズマ重合 / アモルファス / 超格子 / ab initio法 |
研究概要 |
ダイヤモンド薄膜の原料となる炭素源としてメタンなどの炭化水素ガス、あるいはエタノールなどの液体が利用されていたが、これらの炭素源では、移動や取り扱いの点から安全性に難点があった。ここでは、第三の炭素源としてアルコールから固体ゲル材料を調製し、これを用いてダイヤモンド薄膜の合成を行った。アルコールからの固体ゲルの生成にはアルコールの分子構造が大きく影響し、-OH基に対する炭素鎖が2〜3のアルコールにおいて固体ゲルが調製可能であった。固体ゲルを用いて作製したダイヤモンド薄膜のX線回折では、アモルファスカーボンのブロードなピークが60〜80°に観察されるが、熱フィラメント法にありがちなフィラメント材料によるピークが見られないことから、固体ゲルを用いることにより極めて良好なダイヤモンド薄膜を作製できることが明かとなった。ラマン分光法による結果も同様に、1500cm^<-1>付近にアモルファスカーボンに起因するブロードなピークが見られ、1333cm^<-1>に非常に大きなダイヤモンドによるピークが観察された。また、プロパノール・固体ゲルを用いたときに得られたダイヤモンド薄膜のSEM写真から、フィラメント直下の基板中心部分では{111}面からなる三角形の相が見られ、領域全体としては粒径1μmのダイヤモンドが多数集まった多結晶構造のダイヤモンド薄膜が生成したことが明かとなった。それに対して、基板中心から3mmほど離れた領域ではボール状の物質が観察され、表面に若干のダイヤモンド相が形成されているのが確認できた。これはフィラメントとの距離が増えたことにより放射温度が急激に降下し、アルコール及び水素分子の解離が充分に行われないことによると考えられる。
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