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構造制御を目指した時間分解蛍光偏光解消法によるLB膜の動的構造評価

研究課題

研究課題/領域番号 04205003
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関北海道大学

研究代表者

武笠 幸一  北海道大学, 工学部, 教授 (00001280)

研究分担者 木村 尚仁  北海道工業大学, 応用電子工学科, 講師 (80244838)
荒磯 恒久  北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (30151145)
研究期間 (年度) 1992
研究課題ステータス 完了 (1992年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワードLB膜 / 分子デバイス / 揺動運動 / 配向 / 時間分解 / 偏光解消 / 蛍光測定 / パルスレーザー
研究概要

我々の研究の目標は有機薄膜の動的構造と機能との関連を明らかにすることにあるが、そのためには膜分子の揺動・配向状態に関して昨年度迄に得られた結果以上に詳細な解析を行うことが必要とされる。そのための一つの方法として、試料に対する励起光の入射角度を変えて複数の測定を行い、それらの結果を用いて総合的な解析を行うことが有効であると考えられる。そこで本研究では試料であるLB膜を、累積時の浸漬方向を縦、あるいは横に向けて置いた、二つの場合について偏光率の測定を行った。なお試料としては、DPH-プロピオン酸を蛍光プローブとして含むステアリン酸を、一層累積したLB膜を用いた。測定の結果から、LB膜分子の揺動・配向状態について以下のことを読みとることができた。(1)膜分子の揺動運動の速さはナノ秒のオーダーである。(2)分子の角度分布は、全体として広がっている。(3)揺動の角度範囲は比較的小さい。(4)時間平均すると分子軸は基板法線に対して軸対称に分布している。これらの結果より、このLB膜分子の揺動・配向状態を説明するためには、従来の一方向に配向した揺動円錐モデルより、二重円錐モデルの方が適切であると考えられる。これは揺動円錐が、より大きな「外枠円錐」の中に一様に分布していると考えるものである。このモデルに基づく偏光率の時間変化の数値計算を試みたところ、実際の測定結果と比較的よく一致した傾向が見られた。
以上より、励起光の入射条件を変えて複数の偏光率測定を行うことにより、膜分子の揺動・配向状態について、より詳しく把握することができること、および二重円錐モデルを用いることで、更に正確な定量的解析ができる可能性のあることが明らかにされた。今後はこれらの成果を基に、膜の動的構造と機能発現の関連性を議論することが可能になると考えられる。

報告書

(1件)
  • 1992 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 木村 尚仁,常田 るり子,荒磯 恒久,石井 淑夫,武笠 幸一: "時間分解蛍光偏光解消法によるLB膜分子の揺動運動の測定" 北海道大学工学部研究報告. 153. 103-107 (1990)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] Naohito Kimura K.Mukasa,T.Araiso: "Fluorescence depolarization to define wobbling motion of oriented molecules in Langmuir-Blodgett films" Chem.Phys.Lipids. 57. 39-47 (1991)

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書
  • [文献書誌] K.Mukasa,T.Araiso,N.Kimura: "New Functionality Materials:Design,Preparation and Control,T.Tsuruta,M.Seno and M.Doyama(eds.)"Estimation of Molecular Motion in the LB film using Time-resolved Fluorescence Depolarization in order in order to Control the Film Structure"分担執筆" Elsevier,

    • 関連する報告書
      1992 実績報告書

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公開日: 1992-04-01   更新日: 2016-04-21  

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