研究課題/領域番号 |
04205022
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
軽部 征夫 東京大学, 先端科学技術研究センター (50089827)
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研究分担者 |
横山 憲二 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (80242121)
竹内 俊文 東京大学, 先端科学技術研究センター, 客員助教授 (70179612)
民谷 宗一 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (60179893)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1992年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | DNAセンサー / ヒト染色体 / 遺伝病 / PCR / 蛍光偏光解消法 / PNA診断 / 血液試料 |
研究概要 |
特定のDNAの検出は,遺伝病や感染症などの発症前診断にきわめて有力である。しかし従来の方法では電気泳動やサザンハイブリダイゼーションなどの操作を必要とするため迅速な測定が困難であった。そこで本研究では,蛍光物質を修飾したDNAブローブを用いる蛍光偏光解消法に着目し,迅速で簡便なDNA検出システムを開発した。すなわち、蛍光偏光解消法とPCR反応を利用して、B/F分離を必要としない迅速で簡便な、そして極微量のDNAでも測定ができる新しいDNAの検出法の開発を目的とした。蛍光偏光解消法をDNA診断へ応用した例はほとんどなく、特にPCR反応に応用した例はまだない。そこでまず蛍光偏光解消法がPCR反応に応用できるかを検討した。そして、偏光異方度に彰響を与える種々の要因についても検討した。次に、実際の遺伝病や感染症の診断に応用することを考え、ヒト染色体をターゲットにした場合について検討した。 まず白血球溶液を用いてHLA遺伝子の検出を行ったところ10回以上の反応回数で偏光異方度が上昇していくことがわかった。さらに,全血溶液1μ1を用いた場合についても同様に,10回以上で偏光異方度が上昇していることがわかった。次に男性の染色体には存在するが女性の染色体には存在しないY染色体上のSRY遺伝子をターゲットとして用いて実験を行った。その結果、男性血液を用いた場合には偏光異方度が上昇し、女性血液を用いた場合には変化がなかった。以上のことよりヒト染色体上の、特定な遺伝子の存在を1μ1という極めてわずかの血液試料を用い、蛍光偏光異方度を指標として検知することができることが示された。以上のように本研究は、蛍光偏光異方度を指標として、PCR法を用いて極微量の特定なDNAの検出をB/F分離なしで迅速で簡便に行える方法を開発したものであり、現在行われているDNA診断において、迅速かつ簡便な方法を提供したものであり分析化学や医療分析分野に与える波及効果はきわめて大きいと考えられる。
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