研究課題/領域番号 |
04205024
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
工藤 徹一 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90205097)
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研究分担者 |
岸本 昭 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (30211874)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 過酸化ポリ酸 / 非晶質 / 感光機能 / 複合酸化物 |
研究概要 |
機能性無機材料研究の一環として、報告者らが見いだした過酸化ポリタングステン酸を用いた無機レジスト材料の研究・開発を行なっている。この新規のポリ酸は金属Wと過酸化水素の直接反応により生成するもので、その水溶液からスピンコート法により均一な薄膜を得ることができる上、深紫外線・電子線・集束イオンビームなど様々な線源に感応してネガ型の特性を示し、高い感度と解像度を有することがわかっている。今回ラマン散乱スペクトルの測定により、感光時の縮重合についての知見とこれに関連した、酸素分子のケージング現象を見い出した。 無添加のW-IPA薄膜について、加熱処理またはdeep-UV照射した試料についてラマン散乱スペクトル測定を行った。これらの処理により580および880cm^<-1>付近のピークが小さくなり、600〜700cm^<-1>のピークが大きくなる。このことより、ポリアニオンの網目構造が発達し重縮合が進むことがわかる。80℃で長時間保持したものについては100℃、0分処理のものと形状が異なり、むしろ80℃、0分のものと似通っている。このことから、80℃付近にある安定相が存在することが示唆され、これはIRでも確認された。またある程度の熱処理を施したものには、1550cm^<-1>付近にピークが存在し、生成した酸素分子はマクロな構造の緻密化によりケージングされていることが明らかになった。UV照射した試料のラマン散乱スペクトルは、100℃で熱処理した試料のものと類似していることがわかった。またこれにも同様に酸素がケージングされていることが明らかになった。これまでのX線動径分布関数を用いた解析によりW-IPAは、WO^6八面体の頂点共有と稜共有三員環からなるクラスター構造をとることがわかっている。以上の結果と合わせ熱処理またはdeep-UV照射すると、縮重合が進み不溶化し、同時に酸素がケージングされるものと考えられる。
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