研究課題/領域番号 |
04205026
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 桐蔭学園横浜大学 |
研究代表者 |
長谷川 正木 桐蔭学園横浜大学, 工学部・材料工学科, 教授 (50133103)
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研究分担者 |
橋本 幸彦 東京大学, 工学部・合成化学科, 助手 (50201710)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1992年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | カチオン重合 / 大環状化合物 / トランスアセタール化 |
研究概要 |
大環状ポリオキシメチレン(POM)は、ホルムアルデヒドのアニオン重合、あるいはPOMの結晶融点(〜175°C)より高温でのトリオキサン(TOX)のカチオン重合によっては全く生成しないことを確認した。また、大環状POMを全く含まないPOM(アニオン重合により合成)を等温結晶化させて得た試料とルイス酸との固液反応によって環状POMが生成することも確認した。さらに、この固液反応では通常の分子量を持環状POM(M_N^-=1000)の他に、時間とともにその2倍及び4倍の分子量をもつ相当量の大環状POMが生成することも見出した。この事実は、1)最初のトランスアセタール化反応により生成する大環状POMがトリガー(開始点)となること、及び、2)その後はその近傍において集中的に環状POMが生成し、その結果、動力学的には連鎖機構により同環状物がラメラ表面において一種のドメインを形成すること(トポケミカル的挙動に起因する環状POMの連鎖的生成)、を示唆している。 TOXの重合における副反応には、トランスアセタール化と水素移動反応があることがこれまでに報告されている。しかし大環状POMの生成、及びそれに対する触媒の影響を検討した報告例はない。そこでBF_3・OB_<U2>を触媒として用いた場合より環状POMの生成量を大きく増加または減少させる触媒の探索を主目的として、種々の触媒によるTOXのバルク重合を試みた。これに先立ち、TOXのバルク重合における大環状POMの収率はポリマーの収率とともに、また触媒濃度が高くなるとともに増加することを確認した。 大環状POMの生成量を任意に制御する方法は、エンプラとしてのPOMの物性向上、及び大環状エーテルの高選択的合成の立場から興味深い。 この他に、高分子量線状POMラメラ中に含まれる大環状POMのモルフォロジーへの影響について小林ら(阪大・理)と共同研究を行なった。
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