研究課題/領域番号 |
04205042
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
半那 純一 東京工業大学, 工学部, 助教授 (00114885)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1992年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 多結晶シリコン / 低温成長 / フッ素 / 選択成長 / TEM / シラン / 核発生 / 結晶成長 |
研究概要 |
今年度は、シランのフッ素酸化を利用するSi薄膜の成長技術を利用して非晶質基板上への高品質多結晶Si膜の低温成長を実現する基礎として、多結晶膜の初期過程について膜の構造解析の手法を用いて検討を加えた。さらにSiO_2-Si系における選択成長の可能性についてもあわせて検討した。結晶成長の初期過程の検討では、結晶膜の成長する幾つかの条件のもとで膜厚の異なる試料を作製し、その構造をラマン、赤外分光法、X線回折、RHEED、SEMおよびTEM観察により調べ、膜の成長に伴う膜構造の変化を明らかにした。その結果、本技術によりSi膜の成長では、元来結晶成長が見られる条件においても非晶質基板上には成長初期に非晶質相が成長し、膜の成長が進むにつれてSiネットワークの構造化が促進され、核の発生、その後の結晶粒の成長へと移行するというモデルが考えられた。さらに、結晶成長は成長初期における核の発生に強く依存し、結晶の粒径サイズは成長初期の核発生密度によって決定されること、また、核の発生密度は成長条件に敏感で、例えば、フッ素流量の増加、成長温度の上昇によって著しく増大することが明かとなった。 これらは、本成長技術による多結晶Si膜の成長においては、膜の結晶化率の向上と結晶粒径サイズの拡大とはtrade-offの関係にあるため、成長条件の選択のみによって同時に膜の結晶性の向上と結晶粒径サイズの拡大の両立を図ることは困難であることを示唆する結果と解釈される。 一方、SiO_2-Si系での選択成長の検討では、エピタキシャル成長の条件において、SiO_2でパターニングした(100)Si基板を用いて膜成長を検討したところ、シラン/フッ素流量比が小さい、結晶成長が促進される条件において選択成長が実現できることが分った。
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