研究課題/領域番号 |
04205049
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
佐治 哲夫 東京工業大学, 工学部, 助教授 (60142262)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 有機薄膜 / 界面活性剤 / アントラキノン / ラテックス |
研究概要 |
最近、我々は、フェロセンと導入した界面活性剤の溶液に顔料に分散させ、基板上で、この活性剤を電気化学的に酸化して界面活性剤の分散能を失活させることにより基板上に顔料の薄膜を作製する方法を開発した(ミセル電解法)。ミセル電解法の残る克服すべき問題点としては、(i)界面活性剤の酸化環元電位の関係で、AlやCu等の酸化環元電位の低い電極(基板)を使用できない、(ii)顔料薄膜を作製した基板が電気化学的に活性であるため、マスクした薄膜のない部分に他の顔料を作製するとき既にある薄膜が積層してしまう等がある。そこで、本研究では、これらの点を改善するために、以下の研究を行なった。(i)アントラキノン修飾界面活性剤の合成アントラキノンを疎水部とした界面活性剤を合成した。得られた界面活性剤のCMCは約3mMであった。これらの界面活性剤の水溶液のCVはpH13で-0.7Vvs.SCE付近に準可逆な環元波を示した。また、環元によりこれらの界面活性剤は界面活性剤としての機能を失うことが明かとなった。しかし、顔料はこれらの界面活性剤の水溶液には分散せず、薄膜作製に応用できなかった。(ii)高分子ラテックス薄膜の作製とその不活性化高分子ラテックスの薄膜は、球形で単分散性の高いポリスチレンラテックスを水溶液に分散させ、+0.5Vvs.SCEで定電位電解して作製した。得られた薄膜は半透明な白色であり、そのSEM写真より、膜厚は数μmで、均一であり、粒子を積層したものであった。また、これらの薄膜が被覆したITOは電気化学的に活性であり、他の顔料分散溶液中での電解により顔料薄膜が積層された。次に、ラテックス薄膜を熱処理したところ、得られた薄膜は透明性がよく、また、この薄膜が被覆したITOは電気化学的に不活性であった。
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