研究課題/領域番号 |
04205058
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
東原 秀和 信州大学, 繊維学部, 教授 (40026141)
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研究分担者 |
沖野 不二雄 信州大学, 繊維学部, 講師 (60214037)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1992年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | グラファイト層間化合物 / フッ化水素 / インターカレーション / リチウム電池 / リチウム二次電池 |
研究概要 |
1.インターカレーション反応のメカニズム PbF_4やK_2NaPdF_6のHF溶液にグラファイトの結晶を浸漬するだけで、CxPbF_6、CxPdF_4が生成することを見い出した。この結果は、PbF_4のような高次フッ化物はHF溶液中でグラファイトを酸化する能力があることを示している。すなわち、HF溶液反応系にフッ素ガスのフローを必要としない、新しいインターカレーション反応でCxMFyが生成することが分かった。 2.Li/CxF、Li/CxMFy電池のEMF(起電力) HF溶液中で生成したCxF、CxMFyを正極とするリチウム電池Li/1M LiC10_4-PC/CxF,CxMFy(PC:Propylene Carbonate)のEMFは、インターカレーション温度に強く依存する。室温以下の低温で生成するCxF、CxMFyでは、グラファイト層からインターカレート種(層間化学種)への電荷移動量が大きく、4〜5.2Vの非常に高いEMFを示す。 3.CxMFyを正極とする二次電池 Li/1M LiC10_4-PC/CxPbF_6、CxLiBF_4セルのサイクリックボルタンメトリーによって、CxPbF_6、CxBF_4電極の酸化還元反応は可逆であることが明らかにされた。C_<10>PbF_6電極の場合、対称的なボルタモグラムは10サイクル以上不変であり、0.1mA/cm^2の電流密度においても安定で平坦な放電電位を示した。放電生成物のXPS、XRDの解析から、放電反応は次の式で表せることが明らかにされた。 C_<10>PbF_6 + xLi^+ + xe^- discharge→←charge C_<10> LiPbF_6 C_xPbF_6、C_xBF_4電極を用いることによって、フッ素系グラファイト層間化合物としては、初めての二次電池が実現した。75%のクーロン効率を向上させることが今後の課題である。
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