研究課題/領域番号 |
04205070
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大西 俊一 京都大学, 理学部, 教授 (00025272)
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研究分担者 |
村田 昌之 京都大学, 理学部, 助手 (50212254)
佐藤 智 京都大学, 理学部, 助手 (30183049)
伊藤 忠直 京都大学, 理学部, 助教授 (90093187)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1992年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 膜融合 / エンドサイトーシス / 両親媒性ヘリカル構造 / 両親媒性ペプチド / 細胞質内物質導入法 |
研究概要 |
我々はすでに、エンドサイトーシスを利用した細胞質内物質導入法に用いる人工ウイルスに必要不可欠な「酸性での」膜融合活性を有するペプチドE5の合成に成功し、ペプチドの「両親媒性ヘリカル構造」が膜融合活性発現に必要不可欠であることを明らかにしている。本年度は、さらに新しいペプチド(E5NN,E5CN,E5CC,E5P)を設計、合成した。それらはE5ペプチドをプロトタイプとし、それぞれ異なるα-ヘリックス含量を持つ両親媒性ペプチドである。これらによる中性リン脂質リポソームの膜融合活性、赤血球溶血活性、CDスペクトルなどによる脂質膜との相互作用を調べた結果、ペプチドがもつ両親媒性ヘリカル構造は膜構造にperturbationをおこしたり、bindingしたりすることには必要であるが、膜融合活性には必要十分な構造でないことがわかった。我々は、これらfusion-activeなペプチドに必要なもう一つのfactorとして、α-ヘリカルなペプチドを構成するアミノ酸の側鎖のbulkinessのペプチド1次構造上の不均一な分布に注目した。アミノ酸側鎖のbulkinessの目安として、各残基のsolvent-accessible surface area(A^2)を用い、この値をα-ヘリックスをとった時のペプチドのhelical wheel図上にプロットすると、fusion-activeなペプチド(E5,E5CN)のそれは、大きな残基と小さな残基が円周上に不均一に分布し、ペプチド表面が″rough″であるが、fusion-inactiveなペプチド(E5NN)のそれは、″smooth″であることが判った。″rough″なペプチドは、ヘリックスをとりながらもその表面は完全できれいな両親媒性ではなく、ペプチドが結合した膜界面でdynamicに動き、膜をより一層乱し、融合に導くと考えられる。これに対し″smooth″なペプチドは、チャネルを作ったりporeをつくり、膜(中)上で安定に存安し、界面を乱し膜融合をおこす程にはならないと考えられる。
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