研究課題/領域番号 |
04205078
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中條 善樹 京都大学, 工学部, 講師 (70144128)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1992
|
研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
|
配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1992年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 有機-無機ポリマーハイブリッド / ポリオキサゾリン / シリカゲル / 水素結合 / 多孔質シリカ / 成膜性 / 曳糸性 / 相溶化剤 |
研究概要 |
アミド基を繰り返し単位にもつ有機高分子であるポリオキサゾリン共存下、テトラエトキシシランの酸触媒ゾル-ゲル反応を行うと、無色均一透明なガラス状のポリマーハイブリッドが、有機高分子の広い範囲の組成で得られた。これは、ポリオキサゾリンのアミドカルボニル基とシリカゲルのシラノール残基との水素結合による強い相互作用に基づくものであると考えられる。 有機-無機ポリマーハイブリッド合成において、テトラエトキシシランの代わりに、そのアルコキシドを一つアルキル基に置き換えたものを用いると、ハイブリッド中のシリカマトリックスの架橋点が四から三に減少することになり、よりソフトなハイブリッドが期待できる。実際、メチルあるいはフェニルトリアルコキシシランのゾル-ゲル反応を利用して、ポリオキサゾリンを有機成分とした無色透明均一なポリマーハイブリッドを合成することができた。興味あることに、得られたポリマーハイブリッドを成膜性に優れ、また曳糸性を示すことが分かった。 一方、ポリオキサゾリンは極性有機溶媒であるDMFやDMAcの高分子同族体としての構造を有しており、ポリ塩化ビニルやポリアミドなどの極性有機高分子との相溶性に優れていることが知られている。そこで、極性有機高分子とシリカゲル、それにポリオキサゾリンの三成分の高分子ハイブリッド合成を検討した。すなわち、通常は均一なハイブリッドを合成しにくい有機高分子と無機物の組み合わせにポリオキサゾリンを共存させることにより、均一なハイブリッドとなることが期待できる。実際、ポリ塩化ビニルとポリオキサゾリン存在下、テトラエトキシシランのゾル-ゲル反応を行ったところ、透明均一なハイブリッドを合成することができた。見方を変えれば、ポリオキサゾリンが有機高分子と無機物との相溶化剤として働いていることを示唆するものである。
|