研究課題/領域番号 |
04205089
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
こうじ谷 信三 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (50027900)
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研究分担者 |
池田 裕子 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (10202904)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1992年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ゾル-ゲル法 / ハイブリッドゲル / テトラエトキシシテン / ポリエーテル / イオン伝導体 / ミクロ相分離 |
研究概要 |
ゾル-ゲル法によるハイブリッドゲルの合成に際して、有機成分のポリエーテル分子の末端にトリエトキシシリル基を導入する必要がある。ポリ(オキシテトラメチレン)の例を参考にして、数回の試みの後にポリ(プロピレンオキシド)(PPO)の末端トリエトキシシリル(ET-)化に成功した。このET-PPOとテトラエトキシシラン(TEOS)の酸触媒下でのゾル-ゲル反応を検討した結果、溶媒であるテトラヒドロフランの量を増やすことにより、ゲル化が比較的スムーズに進行することが判明した。分子量が2000のET-PPOを用いて合成されたハイブリッドゲルは、光学的に透明であり、フレキシブルなガラスが作製できた。ポリ(オキシテトラメチレン)の場合と同じく、示差走査熱量計測定も動的粘弾性測定の結果も、PPO成分のガラスからゴム状への転移点を示し、可視光より小さなレベルでミクロ相分離していることが明らかとなった。すなわち、ハイブリッドゲルとはいえ、有機のPPO鎖と、無機のSi-O-Si鎖が分子オーダーで混合しているのではないと考えられる。ET-PPOの分子量が5000のものでは、ゾル-ゲル反応を行う溶媒の組成の最適化が成功せず、作製されたゲルはいずれも光学的に完全に透明なものではなかった。この場合、PPO成分のドメインが可視光の波長よりも大きなレベルにあるものと推定される。新しいフレキシブルなガラスに過塩素酸リチウムをドー阜したものは、10のマイナス5乗S/cmの導電率を示した。塩のドープ量が膨潤度によって決定されるため、その量に限界がありこれ以上の導電率のものを得ることができなかった。しかし、測定された導電率は帯電防止などいくつかの用途には充分であり、応用展開の必要がある。
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