研究課題/領域番号 |
04205092
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森 博太郎 大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 助教授 (10024366)
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研究分担者 |
藤田 広志 近畿大学, 理工学総合研究所, 教授 (30028930)
保田 英洋 大阪大学, 工学部, 助手 (60210259)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1992年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 照射効果 / 超高圧電子顕微鏡法 / 強制注入 / その場観察 / シリコン / オージェ価電子分光法 |
研究概要 |
高エネルギー電子線の照射効果を利用した材料創製法は非平衡状態を微小領域に生成することが可能であると同時に、生成相に特異な物性の出現が期待される。この手法は、予め標的原子からなる第2相を半導体基板の表面もしくは内部の所定位置に分布させておき、これを数MeVの高エネルギー電子線によって照射し、所要の標的原子を第2相から弾き出して半導体基板中に強制注入して、過飽和に異種原子を固溶した非平衡相を創製するものである。今年度は、Siを基板とし、標的原子をAuとしたときの注入挙動を、超高圧電顕(UHVEM)法とオージェ価電子分光(AES)法を組み合わせて、構造と化学結合の両面から追跡し、標的原子の強制注入による基板のアモルファス化に関する支配因子を整理した。まず、Si基板上に約10nm厚のAuを真空蒸着して、Au/Si複合試料とした。UHVEM内でこの試料の約3μmφの所定箇所をAu層側から電子照射してAuの強制注入を行い、強制注入による非平衡相の生成過程をその場観察した。照射後、試料をAES装置に移し、照射および非照射領域からオージェ価電子スペクトルを測定した。これらの結果は、表面のAuが照射によってSi基板中に強制注入されると同時に、アモルファス相が生成し、このアモルファス相中にSi-Au原子間の新たな結合状態が形成されていることを示している。Si単体は、10K以上では電子照射によるアモルファス化は不可能であることがわかっている。しかし、結合可能な異種原子を強制注入し、Si-Si原子間の共有結合に加え、Si-Au原子間の新たな結合状態を形成することによってアモルファス相の生成が可能となる。本研究によって、アモルファス相の生成には固体中に少なくとも2種類以上の配位が存在する必要があることが明らかになった。
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