研究課題/領域番号 |
04205097
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉野 カツミ 大阪大学, 工学部, 教授 (70029205)
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研究分担者 |
河合 壯 大阪大学, 工学部, 助手 (40221197)
尾崎 雅則 大阪大学, 工学部, 助手 (50204186)
大森 裕 大阪大学, 工学部, 助教授 (50223970)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1992年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 導電性高分子 / ポリ(3-アルキルチオフェン) / 発光ダイオード / 導電性高分子ゲル / 光触媒 / 結晶構造 / フラーレン / 光誘起電子移動 |
研究概要 |
1)ポリ(3-アルキルチオフェン)をゲル化したものは溶媒、温度などでその体積、色などが劇的に変化することがその速度はゲルのサイズ、形状に依存することが明らかになった。これはゲル内部への溶媒分子の拡散とそれにつづくゲルの溶媒相への拡散によるものであることが明らかになった。 2)ポリ(3-アルキルチオフェン)を用いた発光ダイオードの発光特性の時間依存性を調べたところ、電圧印加直後の立ち上がりはポリ(3-アルキルチオフェン)中の荷電キャリヤーの移動度に支配されていることが明らかになった。この移動度はアルキル鎖長が短い場合に大きくなることが明らかになった。また電疑を印加し続けると発光部の局部的な温度上昇とそれに伴う発光効率の上昇によって発光強度は強くなることが明らかになった。 3)ポリ(3-アルキルチオフェン)の結晶構造とそのドーピング効果を調べた結果、ドーピングにともなって主鎖間距離は大きくなるが共役平面間隔はむしろ狭くなることが見い出された。これはドーピングに伴う共役平面間の相互作用の増大を示すものと考えられる。またこれらの結果から、トーパンドの空間配置を明らかにした。 4)新規なドーパントとしてフラーレンをポリ(3-アルキルチオフェン)にドーピングしたところ、アルキル鎖長が短いポリ(3-アルキルチオフェン)の場合には、基底状態で電子移動が進行し導電率の上昇、ESRおよび吸収スペクトルの変化などをが見い出され、フラーレンが弱いドーパントとして機能することが明らかになった。また、フラーレンのドーピングはフォトルミネッセンスのクエンチングおよび光伝導の増強をもたらした。これはフラーレンとポリ(3-アルキルチオフェン)の間の光誘起電子移動によりもたらされる。 5)ポリ(3-アルキルチオフェン)膜に対して光照射すること光照射部のみが有機溶媒に可溶化する光誘起可溶化現象が見い出された。アルゴンガス、窒ガス雰囲気では全く光可溶化が進行しないが、酸素、空気、二酸化炭素雰囲気では全く光可溶化が進行しないが、酸素、空気、二酸化炭素雰囲気下では速やかな可溶化が進行し光照射によるパターン形成が可能である。 6)ポリ(3-アルキルチオフェン)が光触媒として新規な機能を有することが明らかになった。一例として、フェーノールと反応させることにより二酸化炭素の固定化とサリチル酸の光合成が達成された。
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