研究課題/領域番号 |
04205099
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
新原 晧一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (40005939)
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研究分担者 |
関野 徹 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (20226658)
中平 敦 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (90172387)
田中 功 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (70183861)
上田 智 大阪大学, 産業科学研究所, 講師 (20029870)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1992年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | セラミックス系ナノ複合材料 / ナノ粒子分散強化 / ナノ複合材料の界面構造 / 高強度セラミックス / セラミックスのナノ構造制御 / 機能性構造用セラミックス / アルミナ / Wナノ複合材料 / Niナノ複合材料 |
研究概要 |
セラミックスマトリックスとしてのAl_2O_3粉末に金属源としてWO_3、NiO、あるいはMoO_3粉末を添加して混合粉末を得た。また、Al_2O_3/Ni系ではAl_2O_3粒末にNi(NO_3)_26H_2Oエタノール溶液を加えて混合した複合粒末も調製した(溶液法)。これらを還元/ホットプレス焼結をうことにより種々のナノ複合材料の作製の成功し、以下の知見を得た。 (1)ナノレベルの金属相がAl_2O_3マトリックスの粒内及び粒界に存在した粒内/粒界ナノ複合組織を有することがわかった。Al_2O_3/Wナノ複合材料ではマトリックス粒内に分散したWは平均粉径約40nmと非常に微細であった。溶液法で調製した複合粒末から作製したAl_2O_3/Ni複合材料でも微細なNiがほぼ粒界に析出した微細組織となった。 (2)高分解能TEM観察により、Al_2O_3/W,Mo系ナノ複合材料ではセラミックス/金属界面には反応相などはなく、両者は直接結合していることが明らかになった。 (3)ナノレベルでの微細組織と界面制御により、機械的性質は大幅に改善され、特に破壊強度はAl_2O_3単相の2倍以上の1.1GPaにも達した。硬度、弾性率といった物理的性質も金属相の添加量に対し、従来材料とは異なる非線形的な変化を示した。 (4)機械的特性の改善は、ナノレベルの金属超微粒子が分散したことによるマトリックスの微細化と、熱膨張係数差に起因する残留応力の影響であることが示された。 (5)更に、Al_2O_3/Niナノ複合材料では、従来にはない特異な磁化挙動が確認された。 以上の研究により、セラミックス系材料をナノ複合化して界面等を原始レベルまで制御することにより、高強度・高靭性材料が実現されることが明らかとなった。本ナノ複合材料では機械的特性の改善がのみならず、最終的には機械的特性と機能性を合わせもった機能性構造材料の実現が期待される。
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