研究課題/領域番号 |
04205112
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
西野 憲和 九州工業大学, 工学部, 助教授 (40145165)
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研究分担者 |
三原 久和 九州工業大学, 工学部, 助手 (30183966)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1992年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 機能性ポリペプチド / 人工タンパク質 / 立体構造構築 / 4α-ヘリックスバンドル構造 / 人工アミノ酸 / ピレン・インドール・ダンシル / エネルギー移動 |
研究概要 |
本研究は、タンパク質の高度な機能の本質、つまりポリペプチドの立体構造とそれにより高度に配向化された機能団という特徴を化学的に模倣し、光電子機能性材料の基盤となるポリペプチド性光電子機能分子モジュールの組立を行うことを目的とする。本年度は、denovodesign法により設計した4α-ヘリックスバンドルポリペプチド中のアミノ酸側鎖に機能性原子団を導入し、ポリペプチド3次元構造中への機能性原子団の配向固定化を行った。 芳香族側鎖を持つ非天然アミノ酸含有人工タンパク質を4α-ヘリックスバンドル構造として組み立てた。異なるセグメント上に2個のピレンを配置した場合、4α-ヘリックスバンドル構造を証明するエキシマー発光が見られた。さらにバンドル内部の疎水場ヘドデシルアクリジンオレンジを取り込ませることにより、この蛍光エネルギーをアクリジン環に効率良く移動させることに成功した。またトリプトファンとダンシル基を対にした系では、バンドル構造においてインドールからダンシル基への完全なエネルギー移動が認められた。 これらの人工タンパク質の立体構造に依存した高効率エネルギー移動現像を利用し、人工タンパク質の種々の溶存状態でのfolding状態を解析した。両親媒性α-ヘリックスモチーフを適用した本人工タンパク質は、水溶液中で特定の4α-ヘリックスバンドル構造を形成するが、メタノール添加により3次元構造の融解やグアニジン塩酸塩の添加によって、2次構造の崩壊が起こる。上記エネルギー移動の減少過程から、これらの3次元構造変化がモルテングロビュール準安定状態を経てランダムコイル構造へ変化していくことを明らかにした。これらの成果から、人工タンパク質設計の精密化に必要な機能性原子団の空間配置を達成するための重要な知見が得られた。これらを光機能の高度化に応用することにより、新たな人工タンパク質創製が可能となるであろう。
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