研究課題/領域番号 |
04205113
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
今田 清久 宮崎大学, 工学部, 教授 (00037748)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1992年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 多孔質ガラス / 核酸合成 / ガラス表面 / 固定化酸素 |
研究概要 |
宮崎県立工業試験場は、コーニング社のバイコールガラス型多孔質ガラスとは異なる組成の基礎ガラスに基づく、多孔質ガラスの製造方法を特許申請し、米国でも承認された。この多孔質ガラスの用途を開発するとともに、これを題材としてガラス表面の化学構造を明らかにする。 多孔質ガラス表面の水酸基量は赤外線請吸収スペクトルと水分脱着の測定から(nm)^2当たり12分子と推定された。ほぼ、ガラス表面に接する珪素原子1個当たりシラノール基一つが見いだされることになる。シラン化剤によるアミノアルキル化でアミノアルキル化多孔質ガラスを得た。1(nm)^2当たり4分子のアミノ基がガラス表面に認められた。ほぼ、シラノール基3個にトリアルコキシシラン1個が結合したことになる。 多孔質ガラスの用途としても最も顕著なものは、DNAの固相化学合成における担体である。上記の表面構造の理解に基づき、化学量論的に正確な表面処理を行うために、その前提として、的確な脱水処理を行い、良い結果を得た。アミノアルキル化多孔質ガラス上へのヌクレオシドの担持、およびこれを利用したDNAの合成にはより大きな表面空間が必要なのでガラス表面のアミノアルキル基は比較的粗にする必要がある。 このことを参考にして、固定化酸素、抗凝血剤ヘパリンの固定化、およびワクチンに混入する発熱源物質の吸着除去などを試み良い結果を得た。固定化酸素では1月以上ほとんど活性の低下を見ることのない堅牢なものを得ることが出来た。ガラス上のヘパリンは豚血液中でも脱離しない。以上、多くの用途において、機能性物質は堅牢に固定化され有用な複合系を構成するが、ガラス上のアミノアルキル基自体が酸によって容易に脱離するので、ペプチド合成など、幾つかの用途には適していない。これの改良が今後の課題として残る。
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