研究課題/領域番号 |
04205116
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
高岸 徹 大阪府立大学, 工学部, 教授 (50081336)
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研究分担者 |
河野 健司 大阪府立大学, 工学部, 助手 (90215187)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1992年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | マイクロカプセル / ポリイオンコンプレックス / pH応答性 / ポリアクリル酸 / ポリエチレンイミン / 膜透過性制御 / フェニルエチレングリコール / ヒスチジン残基 |
研究概要 |
本研究では、外部刺激に応答して内包物の放出を制御できる、高度に機能化された新規なマイクロカプセルとして、ポリイオンコンプレックスカプセルが有用であることを明らかにしてきた。ポリイオンコンプレックス形成は高分子電解質の電荷密度に影響されることから、カプセル調製時のpHが生成するカプセルの透過性に影響を与えるものと考えられる。そこで、平成4年度はポリイオンコンプレックスカプセルの透過性に及ぼすカプセル調製時のpHの影響について研究を行った。従来と同様の方法によって、pH7、6、および5でポリエチレンイミン-ポリアクリル酸コンプレックスカプセルを調製した。 元素分析の結果、カプセル膜を形成しているPAAおよびPEIの組成は、調製pHの低下とともにPAAの含率が増大することがわかった。これはpHの低下とともにPEIの電荷密度が上がり、逆にPAAの電荷密度が下がるためと考えられる。これらのカプセル膜のフェニルエチレングリコーリ透過性を調べた結果、pH8〜2において、いずれのカプセルもほぼ同様の透過特性を示した。 一方、弱酸性領域にpKaをもつイミダゾリル基を有するヒスチジン残基を結合したポリエチレンイミン-ポリアクリル酸コンプレックスカプセルの透過性について、調製時のpHの影響を調べた。これらのカプセル膜の透過性は弱酸性領域で著しい違いが観察され、pH7で調製したカプセル膜に比べて、pH6で調製したカプセル膜の透過性は著しく低いものであった。イミダゾリル基はpH7においてはプロトン化されないが、pH6ではプロトン化されることから、pH6で調製したカプセルではイミダゾリル基もイオンコンプレックスを形成するため、膜はより緻密な構造をとり、したがって低い透過性を示してものと考えられる。
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