研究課題/領域番号 |
04208206
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
石田 肇 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (70145225)
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研究分担者 |
近藤 修 札幌医科大学, 医学部, 助手 (40244347)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
600千円 (直接経費: 600千円)
1992年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 形態人類学 / 頭蓋 / モンゴロイド / シベリア / 頭蓋計測 / 頭蓋形態小変異 / 顔面平坦度計測 |
研究概要 |
1.アジア、シベリアおよびアメリカ大陸の先史時代から現代に至る集団のデータをもとに、MahalanobisのDの2乗距離およびKonigsberg(1990)の生物学的距離を用いて集団間の距離を計算することにした。 2.Debets(1951)の3型分類(極北型、バルカル型、中央アジア型)は頭蓋計測値、形態小変異および顔面平坦度の分析からも妥当であることが確認された。すなわち、北中国人を含む東アジアの集団と中央アジア型の人々は形態小変異の点でよく似る。ブリヤートが同じ地域のバイカル新石器時代人ではなく、東アジアの集団に類似することは、ブリヤートは後の時代に南から入ってきた集団であったことを推定させる。 3.西シベリヤで、各時期の頭蓋を調査すると、新石器時代の初めはモンゴロイド的であるが、徐々に、顔面が立体的になり、青銅器時代に、それがもっとも顕著になることが分かった。このように、歴史時代に知られる東西交流は、先史時代においても認められ、バイカル湖のヨーロッパ側というのは、当時から、モンゴロイドとコーカソイドの境界領域であったことが、形資人類学の研究から証明されたのである。 4.極北の集団は極めて独特な形資を持っている。pinched nasaliaのため、鼻が高く、アムールの集団やエヴェンキのようなごく平坦な顔とは異なっている。頭蓋形態小変異の研究面では、カナダのオッセンバーグの結果と同じく、極北の集団がアメリカインディアンに近いようである。一方、ペルーの人々を始めとして、北アメリカ、カナダ、ブラジルなどりアメリカインディアンは、共通の形資を持ち、かなり均資な集団であることがわかった。アメリカインディアンはアジア集団から伸びる一つのクラス一に含まれ、数種類の形態小変異の頻度には、シベリアからアメリカへの地理的勾配がみられることから、彼らはアジア由来と考えられる。
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