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化石周氷河現象に基づく最終氷期の自然環努復元に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04208207
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関東京都立大学

研究代表者

平川 一臣  東京都立大学, 理学部, 助教授 (40126652)

研究期間 (年度) 1992
研究課題ステータス 完了 (1992年度)
配分額 *注記
700千円 (直接経費: 700千円)
1992年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワード最終氷期 / 周氷河環境 / アイスウェッジ / ソリフラフションロウブ / 永久凍土
研究概要

1.根釧原野の化石ice wedge状構造は分布、発達ともに広くなく、ほぼ最終氷期の扇状地砂礫層中に限ってみられる。それらのうち何ケ所かでは、wedgeの側壁がきわめて直線的かつシャープで、深さ3-4mに達し、北海道のほかの地域にはない特徴と規模を持つ。
2.天北地方には最も高頻度で化石ice wedge状構造が分布する。規模、形態の点からもsoil wedge起源だけでなく、ice wedge起源のものが含まれていよう。これらの観察結果と、ice wedge起源かsoil wedge起源かの判別についても検討した。
3.北上地方では、海抜100m前後の低所でも火山灰層の著しい撹乱が観察される。沢口(1992)のスケッチどは、撹乱現象は現在アイスランドで広く発達するソリフラクションロウブの断面形と同じであることが明瞭に示されている。北上低地が最終氷期に森林限界以下になったか、ローカルな現象であったかは重要な検討課題である。
4.八ツ岳周辺では、北海道や北上地方で見られるような火山灰層の撹乱現象はほとんど見られない。従来の最終氷期の垂直分布帯の研究では、八ケ岳周辺の海抜1000-1300mの高地は十勝平野などの北海道の低地まで下りていた周氷河環境帯(周氷河限界以上)と同様に考えられていた。したがって、火山灰層中の化石周氷河現象に基づく限り、中部地方高地の最終氷期の周氷河環境を北海道の低地や北上地方と同様に見ることはできない。最近の小野(1990)の見解からは、中部日本高地の最終氷期の森林限界は1700-1800mにあり、かつ連続永久凍土分布の下限とほぼ一致すると読み取れる。しかし、不連続-点在的永久凍土下限高度は1000-500mに引かれている。永久凍土が発達していても、森林の下では凍結撹乱現象が発現しなかったのか、あるいは永久凍土はなかったと考えるか、さらに検討が必要である。

報告書

(1件)
  • 1992 実績報告書

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公開日: 1992-04-01   更新日: 2016-04-21  

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