研究課題/領域番号 |
04209111
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
太田 勇 東洋大学, 文学部, 教授 (00058009)
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研究分担者 |
寄藤 昂 中京女子大学, 伊達コミュニケーション研究所, 研究員
富樫 幸一 岐阜大学, 教養部, 助教授 (80197855)
牧田 肇 弘前大学, 教養部, 教授 (80004464)
谷内 達 東京大学, 教養学部, 教授 (60113586)
柳井 雅也 岡山大学, 文学部, 助手 (00200527)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
1992年度: 9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
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キーワード | 東京大都市圏 / 工業化 / 都市化 / 緑被変化 / GISパイロットシステム |
研究概要 |
本年の最終目標は東京大都市圏(20万分の1地勢図・東京とその隣接5万分の1地形図の範囲)の工業化、都市化、緑被変化の状況をGIS手法で地図に表現することであった。同時に、この手法を広域に適用するため、上記地域以外でも工業分布・人口密度・植生の変化を位置情報として地図化し、産業空間の拡大と環境改変にかかわる基礎情報を整理した。最大の目的は地表に現れる自然、人文、社会の多様な地理情報を、研究・教育両面で活用できるGISパイロットシステムの開発であるから、作図結果から新しい事実の発見を急ぐのではなく、より汎用性の高い情報を提供できるかどうか、環境変化の分析にいかに役立てられるかの検討に力点をおいた。結果は以下の通りに要約できる。 1)緑被の減少はもちろん工業化、都市化の結果であるが、その時期、速さ、規模は場所によって異なる。とくに第二次大戦前と後では様相を異にする。今後、工業の立地選好事情、事業所施設の実態、新しい住宅地住民の所得水準などの工業化・都市化の質にかかわる諸要素と、変化した緑被の規模・種類との関係を明らかにすれば、環境変化の過程を社会経済的側面からより精緻に把握できる。 2)従来は工業化、都市化による環境改変が主要交通路線に沿って面的に進行したが、今日は高速交通手段の発達により、大都市圏から遠いところへ点状に拡散している。しかし、その点状変化がやがて連続して面的になるかどうかの予測は、新規立地工業の周辺地域への経済的波及効果にかかっている。地方分散型の工業は大都市圏の管理中枢機能、研究開発機能によって存立基盤を決定されており、foot-looseの性格をもっているから、東京大都市圏型の工業化、都市化が日本全国に普及するとはいえない。地方中小都市の環境変化はこの観点から検討すべきである。 3)上記の結果と予測は、日本の一極集中型の産業構造、都市機能に由来するか否かの検討を必要する。その検討を通じて、日本の事例がグローバルな考察に役立つかどうかを論議できる。
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