研究課題/領域番号 |
04209208
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
平井 幸弘 愛媛大学, 教育学部, 助教授 (30181134)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1992年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 湖沼環境 / 都市化 / 水資源開発 / 水質汚染 / 人工景観 |
研究概要 |
本研究では、海跡潮の湖岸・湖底における地形改変、土地・水利用、植生帯などの変化に注目して、湖沼環境の変化を明らかにし、それを「湖沼環境地図」およびG.I.Sの一部としてパソコン上においてデータ・ベース化することを目的としている。今年度は、1湖沼環境の変化に関するデータの吟味と収集、2パソコン上のデータ・ベースの利用環境の充実、3湖沼環境の変化をもたらした要因分析のための歴史的考察に主眼において研究を進めた。 1については、昨年度利用した第3回自然環境保全基礎調査(湖沼調査は1985年実施)資料に加え、過去2回の同調査資料(第1回:1973年〜1977年および第2回:1979年)を収集した。1973年以前については、統一的な資料がないので、広く個々の湖沼に関する文献・資料を収集した。また、霞ヶ浦・北浦地域に加え、湖沼環境の変貌著しい中海・宍道湖のカラー空中写真も揃えた。2については、多量の画像データを扱うために、既存のパソコンに大容量ハードディスクを装備し、さらにブック型パソコンを講入して、データの交換、移動、閲覧等の利便を図った。3については、「湖沼関係年表(湖沼の環境と開発に関する法律・条例および記事)」を作成し、環境変化の歴史的考察の足がかりとした。そして、戦後の日本における利市化にともなう湖沼環境の変遷を考察した結果、(1)1960年代までの大規模干拓、(2)1960年代から1970年代にかけての治水から利水への転換、(3)1970年代以降の琵琶湖や霞ヶ浦の代表される湖沼の「総合開発」、(4)1970年代から1980年代以降にかけての主に生活係排水による水質悪化、そして(5)現在にいたる湖沼景観の人工化の、5つの問題点が明らかにされた。 湖沼は時代を写す「鏡」であると言われるが、都市交郊の平野に位置する湖沼は、まさに都市化の直接的・直接的な影響を受けながら大きく変貌し、現在深刻な環境問題に直面している。
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