研究課題/領域番号 |
04213202
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
大山 耕輔 筑波大学, 社会科学系, 助教授 (40185400)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1992年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 行政指導 / システム / 政策過程 / 既得権 / ネットワーク / インフォーマル / 行政スタイル / 外貨予算制度 |
研究概要 |
行政指導の概念が社会的に注目され始めたのは1952年頃から、また学問用語として確立したのは1962年のことであった。議会制民主主義と自由競争市場の制度改革を経た戦後日本は行政指導というスタイルを用いることによって、それらの制度を無意味なものにしてしまったのか。行政指導というインフォーマルな行政スタイルによって結び付いた官庁・業界・族議員の既得権のネットワークを行政指導システムと呼ぶとすれば、メそれはいつ頃から、どのように形成されたのか。 本研究では、1.行政指導システムの形成が1952年の統制経済体制の終了とともに始まり、統制期に形成された業法・業界団体・関係議員のネットワークをインフォーマルを受け継いでいったこと、2.その要因として、戦後導入された独禁法の相次ぐ緩和改正や公正取引委員会の緩い運用態度、行政手続法等の制度導入の失敗、高度成長政策とそれを実施する行政に対する世論の高い支持等を指摘したい。 平成4年度は、村松岐夫京都大学教授を代表とする計画研究班が「地域」を中心に進めることを考慮しながら、「国際環境の中の日本」という比較的大きな視点から基礎研究を行った。具体的には、統制経済後に行われた外貨予算制度の運用過程における行政指導の実態を分析した。その結果、1.外為法に基づく同制度の運用はさまざまな産業政策的目的のため実際には間接統制となった、2.新規の割当を受けることが既得権の確保となり、インフォーマルな参入障壁と利益保証として機能した、3.経済成長と外圧により、比較的早い時期から間接統制への批判と貿易自由化の政治過程が始まった、等が明らかになった。今後は、これらの知見を踏まえて、村松班の「地域」レベルの研究とも有機的な連携を図りながら、行政指導システム論の仮説をより洗練させたい。
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