研究課題/領域番号 |
04213210
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
中川 清 日本女子大学, 人間社会学部・現代社会学科, 教授 (50115052)
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研究分担者 |
高木 正朗 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (70118371)
坂本 佳鶴惠 日本女子大学, 人間社会学部・現代社会学科, 専任講師 (60201521)
一番ヶ瀬 康子 日本女子大学, 人間社会学部・現代社会学科, 教授 (20060600)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1992年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 日常生活 / 生活主体 / 出生行動 / 戦後家族 / 生活意識 |
研究概要 |
戦後日本形成のポイントを、政治や経済の領域にではなく、人々の日常的な生活のレベルに求めた。日常生活といっても多様であるが、本年度は、1.出生行動の変容、2.家族の実態と意識の連関、3.家族イメージの形成、4.生活意識の変動、5.社会集団把握の政策視点、という5つの側面から接近した。1.から3.の家族や出生の動きは、生活の深く長い累積結果として現れるものであり、近代日本という長い幅で戦後性を考えるのに適している。他方、4.と5.の意識や政策は、戦後を画する生活変化が、どのような社会的ダイナミクスの下で展開したかを明示する。いずれの側面においても、1950年代が戦後への転換点として浮かび上がることになる。 1.占領改革と高度成長の間、1950年代前半に、人工妊娠中絶という劇的な体験をともなって、日本の合計特殊出生率が半減した。この出生行動の激変は、かつての家とは区別される戦後家族の実質を人々の生活課題として引き寄せた。 2.新たに形成しようとする家族の理念と、現実の世帯の在り方とが矛盾なく一致していたのが50年代であり、戦後家族は、ここでの蓄積をバネに展開した。 3.それとともに、集団としての家族がマスメディアによって主題化され、戦後家族のイメージが成立し産出されることになった。 4.敗戦と占領によって混乱した日本人の社会意識は、欠乏感と上昇意欲とがおりなす伝幡力の満ちた生活意識に主導されて、戦後的な秩序形成を開始した。 5.このような生活変動は、社会政策上の集団把握においても、かつての「貧困や逸脱」ではなく、「一般的な生活」モデル(なおその根拠は農村自営におかれていたが)の適用を余儀なくした。
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