研究課題/領域番号 |
04215205
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
戸嶋 直樹 東京大学, 工学部, 助教授 (50011010)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1992年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 2元金属クラスター / 白金クラスター / ミセル / 界面活性分子 / ^<13>C-NMR / 拡散速度 / 可視吸収スペクトル / 吸着機構 |
研究概要 |
1.界面活性分子デシルトリメチルアンモニウムブロミド(C_<10>TAB)の ^<13>CNMR測定を行い、臨界ミセル濃度(CMC)以下では縮退しているピークが、CMC以上では、完全に分離して現われることを見いだした。これは、CMC以上で界面活性分子が直線状にのびきった構造をとっていることを示している。さらに、C_<12>TABに保護された白金クラスター分散液では、C_<12>TABのアルキル鎖の中心部分で白金クラスターによるシフトが観察された。また、ポリエチレングリコールモノウラレートに保護された白金クラスターではアルキル鎖の炭素のシグナルが消失した。これらは、アルキル鎖部分が白金クラスター粒子表面に強く吸着していることを示唆している。 2.キャピラリー法で白金クラスターを包埋したミセルの拡散速度と、ピレンをトレーサーとするトレーサー拡散速度とを求め比較した。これらの拡散速度から求めたストークス半径を、電子顕微鏡観察から求めた白金クラスターの半径と比較すると、C_<16>TABおよびC_<14>TAB系では計算値と実測値はほぼ一致するが、C_<10>TABおよびC_<12>TAB系では、白金クラスター包埋ミセルの実測値の方が計算値よりも小さいことが明らかとなった。この事実は、先にNMR測から示唆された界面活性分子吸着型のクラスター安定化機構を支持するものである。 3.水容性高分子または界面活性分子存在下、2種の貴金属イオンを一緒に還元すると二元金属クラスター分散液ができる。金クラスター分散液が可視吸収スペクトルに特徴的なプラズマ吸収を有することに着目して、金-白金クラスターの還元調製時のスペクトルの変化を測定して、二元金属クラスターの生成過程を検討した。その結果、金-白金二元金属クラスターの生成過程において、金クラスターがまず生成し、その後に金クラスターの周囲に白金原子が付着して、金-白金二元金属クラスターが構築される機構が明らかとなった。
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