研究課題/領域番号 |
04215216
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡田 正 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (40029442)
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研究期間 (年度) |
1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1992年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 配向緩和 / 動的ホールバーニング / フェムト秒分光 |
研究概要 |
ピコ秒フェムト秒時間領域の動的ホールバーニングの実験では、分子内の速い緩和過程が終ったあとの溶媒配向緩和過程による、吸収スペクトルに見られる不均一幅へのポピュレーション緩和過程を観測することになると考えられる。動的ホールバーニングスペクトルの測定により基底状態の溶媒配向緩和過程を調べた。 吸収スペクトルト蛍光スペクトルの間に鏡像関係が成立している場合は、両状態のポテンシャル曲線を同じと考え調和ポテンシャル仮定すると簡単な取り扱いが可能になる。レーザー色素(クレシルバイオレット)のエタノール、メタノール、アセトニトリル、およびこれらの重水素置換溶液中の測定を行なった。緩和過程を特徴付ける相関関数の時間依存性は時間の短い領域でガウス関数型となりその後指数関数で表わされる非指数関数型となった。アセトニトリル中においてのみ重水素効果が観測され、溶媒和状態の緩和過程に溶媒分子の回転拡散が重要であることを強く示唆する結果が得られた。 測定系の時間分解能(数10フェムト秒)より速い時間に起るスペクトルの広がりも観測されたが、その程度は溶媒によって異なっておりメタノールではほとんど観測されていない。この違いは液体構造の違いを反映しているのではなかと考えられる。 蛍光スペクトルのストークスシフトは、主として励起状態の溶媒和によるエネルギー緩和を観測していると考えられるが、ホールバーニングスペクトルの測定は基底状態分子の溶媒配向緩和過程を直接観測する手法として極めて有効であることが示された。
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